Architect解説講座

第2回「壁ツール」

ArchitectLandmarkSpotlightDesigner

2.2.5 壁スタイルの置き換え

すでに作図した壁を別のスタイルに置き換えることができます。これによって、最初は単純壁で作図し、壁の構成が決定してから詳細な壁オブジェクトに変換していくことができます。壁スタイルの変換によって、壁の描き直しをせずに既存の壁オブジェクトを有効利用することが可能です。

 

1. 既存の壁を選択します。データパレットに適用されている壁スタイル「木造外壁」が表示されています。

データパレット

2. ポップアップメニューから置き換えを選択します。壁スタイルの置き換えダイアログが表示されます。

置き換えダイアログ

3. 各パラメータの説明は以下の通りです。

  • 置き換え:変更したい壁スタイルを選択します。
  • 位置揃え:既存の壁の基準と、置換える壁の基準を選択します。
  • 高さを置換える:置換える壁スタイルに設定されている高さを使用します。
  • クラスを置換える:置換える壁スタイルに設定されているクラスを使用します。
  • テクスチャを置換える:置換える壁スタイルに設定されているテクスチャを使用します。

4. 試しに以下のダイアログのように設定し、OK ボタンをクリックします。

設定するパラメータ

5. 新しいスタイルの壁に置き換えられます。

変更された壁

 

【次回予告】
次回は「壁の結合」です。
単純壁同士の結合や構成要素を持った壁の結合など、Vectorworks Architectが持つ結合ツールの機能を解説します。

実践OpenBIM

12. SAVE-建築との連携

12-3. まとめ

PAL計算において重要なパラメータ(結果に表れる変数)は、形状、向き、材料、開口部情報、地域など多くあり、最適解を建物に投影しようと考えた場合、人力作業には限界があります。

提出書類の作成のみならず、PAL計算を建物のスペック向上の為のシミュレーションと捉えるなら、短時間で正確な数値を得られることが必須であり、コンピューターの支援が重要であるといえます。

今回の連携では、形状データだけでなく、連携の為の情報(壁の名前)が”無理なく”渡ることが確認できました。“無理なく”というのは、Vectorworksの従来よりある「名前」を設定する欄に、コミュニケーションの為の情報を書き込み、PAL計算サイドで解釈するという一連の流れです。

「必要なデータが正確に渡る」こと、そしてそれを「便利に利用する」こと、データ連携と、介在する関係者同士でのコミュニケーション連携が上手く機能した例でした。

 

協力
株式会社建築ピボット

使用アプリケーション
SAVE 建築

SAVE-建築の詳細は、株式会社建築ピボットまでお問い合わせください。

Architect解説講座

第1回「ストーリ」

ArchitectDesigner

1.4 ストーリレイヤ初期設定の編集

1.4.1 ストーリレイヤ初期設定の追加

ストーリを作成する際に表示されるストーリレイヤ一覧に追加することができます。なお、ストーリレイヤ初期設定は設定したファイルでのみ有効です。

 

1. ツールオーガナイザを選択すると、オーガナイザダイアログが表示されます。

オーガナイザダイアログ

2. ストーリタブをクリックし、ストーリレイヤ初期設定をクリックします。ストーリレイヤ初期設定ダイアログが表示されます。

ストーリレイヤ初期設定ダイアログ

3. 新規ボタンをクリックします。新規ストーリレイヤ初期設定ダイアログが表示されます。

新規ストーリレイヤ初期設定

4. 各種パラメータを以下のように設定します。

  • 名前:「梁」
  • 高さオフセット:「-100」(ストーリ高さからの相対高さを入力します)

新規ストーリレイヤ初期設定

5. レベルタイプで「新規レベルタイプ」を選択し、新規レベルタイプダイアログで「梁上端」と入力してレベルタイプを作成します。

新規レベルタイプ

6. レベルタイプを選択したら、OK ボタンをクリックします。ストーリレイヤ初期設定ダイアログの一覧に新しいストーリレイヤ初期設定が追加されます。追加されたことを確認できたら、ストーリレイヤ初期設定ダイアログの OK ボタンをクリックして閉じます。

新規ストーリレイヤ初期設定

7. オーガナイザダイアログのストーリタブにある新規ボタンをクリックします。新規ストーリダイアログが表示されます。

新規ストーリ

8. ストーリレイヤの一覧に先ほど追加した「梁」レイヤが表示されていることを確認できます。

実践OpenBIM

11. 建築ピボットに聞く

竹口:
開発初期は色々と大変だったのでは。

長谷川:
販売開始直後から環境意識の高いユーザー様に積極的に利用していただき、建設的なご意見をいただきました。 その意見を取り入れ、ユーザー様とともに作り上げることでより良いものになったと思います。

竹口:
顧客志向の開発ですね。

井出:
今も続けていますが、ユーザーさんへ、機能や使い勝手のヒアリングによく行きました。しっかりと意見を頂いたことが、製品開発へフィードバックされています。


長谷川:
それから、啓蒙活動にも力を入れております。 先週も、弊社のユーザー様でなくとも参加いただける、省エネに関する勉強会(省エネ勉強会)を開催いたしました。
弊社の活動や製品が、環境負荷低減に少しでも寄与できればと考えております。


竹口:
今後のBIM連携に関して、感じることは。


村松:
モデリングを行ないながら、意匠デザインの把握と省エネ性能の確認を同時に行なえることが3D(BIM) のメリットだと感じます。
例えば、外皮の熱特性を可視化することで、設計段階で省エネ性能に気がつくことができ、断熱を強化しよう、庇を設置しよう、といった設計フィードバックが可能になります。

断熱性能の可視化-1

断熱性能の可視化-2

インタビュー風景

長谷川:
現在は一方通行で IFC を受けて解析して、という流れですが、今後は IFC で書き出して、モデラーに返せるような開発をしていきたいです。

竹口:
ありがとうございました。
それでは次回、Vectorworks と SAVE-建築の IFC 連携となりますので、よろしくお願いします。

構造システムグループ

実践OpenBIM

10. Solibri Model Checkerの紹介

10-3. まとめ

かなり駆け足でSMCを説明いたしましたが、今回の機能(特にルールチェックの部分)は、ほんの一部分に過ぎません。

実は、公開しているIFCモデルに行き着くまでに、紆余曲折がありましたが、それらのバージョンチェック(変更履歴の確認や管理)でもSMCは活躍しました。

また、「実践OpenBIM」にて協力企業様とやり取りしたIFCも、ネイティブデータとIFCデータでの書出しモデル数に齟齬が無いか、などのチェックで活用しております。

モデリング精度は、モデル作成者自身でその精度を担保すべきなのか、SMCの様な外部ソフトウェアにて確認すべきなのか(確認する場合は、他に確認するリソースが必要)、未だ意見が分かれるところではありますが、SMCが一瞬でルール外の条件を洗い出してくれることは事実です。

また、今後、BIMが建築の情報データベースとして活用された際には、モデリングの精度も然ることながら、情報の精度が要求されてきます。

その際の確認作業は、一体誰が何を用いて行なうのか….難しい問題です。

SMCが日本に上陸して間もないですが、Vectorworksのように皆様に愛される製品となるようにがんばりますので、応援のほどよろしくお願いします。

SMCの詳細はこちらをご覧ください。

実践OpenBIM

9. GLOOBEとのIFC検証

9-9. まとめ

GLOOBEとの技術検証を行なっている間、日本国内のBIMの動きは活発で、社団法人日本建築家協会から「JIA BIMガイドライン」が発表され、社団法人日本建築積算協会からも「BIMデータ作成ツールと建築積算システムのデータ連携用中間ファイルの提案」が発表されました。

これらのガイドラインや提案を読むと、その内容の過半がデータ連携か、それに関連する項目となっており、BIMの「 I(Information)」の充実がいかに重要かが伺えます。

しかし、IFCを活用したデータ連携の厳密なルールは、現在仕様策定中であり、オフィシャルな情報となって世に出るまでは、今回の検証のようなユーザー同士、またはベンダー同士での事前の約束事が重要となります。

麓から山頂につづくトロッコは既に完成されており、切り出した山土を積載するか、収穫した果実を積載するか、はたまた観光目的で使うか…これらはトロッコを運営する側が自由に決めることができるのです。

「乗せるものを誰かが決めてくれないと、トロッコを運営することはできない…」等とは誰も考えないように、IFCを用いたデータ連携も、やり取りのルールさえ決まってしまえば、手放せない程便利であるはずです。

全てのデータが編み目のように連携することを目指すのではなく、まずは必要かつ可能な所から連携をしていくことが成功の秘訣でしょう。

 

協力
福井コンピューターアーキテクト株式会社

GLOOBE 2013の詳細は福井コンピューターアーキテクト株式会社までお問い合わせ下さい。

ミニツール

リアルタイムパラメータ

Vectorworksのプラグインオブジェクトには、様々なパラメータが搭載されており、開口部の編集を自由に行うことができます。ただ、開口部のスタディーとしていろいろな大きさを検討したい場合、データパレットや設定ダイアログで入力するよりも、スライダーなどで直接的に変更したいときがあります。そこで、窓の幅や高さ、高さ位置をダイレクトに調整できる道具をつくりました。

“リアルタイムパラメータ” の続きを読む