実践OpenBIM

11. 建築ピボットに聞く

この記事は【2013年7月25日】に公開されたもので、2年以上経過しています。
記事の内容が古くなっていたり、新機能の追加・機能の改善が図られていることがあります。

井出:
中規模でグレードの高いオフィスの設計で、SAVE-建築が活用されたと聞いています。 全面ガラス張りのデザイン性の強いオフィスでしたが、建築材料や庇の形状確認などを通して、環境性能の高いオフィスであることを、設計段階で確認しております。

カーテンウォール設定画面

材料設定画面

日よけ装置設定画面

竹口:
SAVE-建築の特徴が見えてきたような気がします。 今までの省エネ設計や計算は設備設計者の領域であったように思われていますが、SAVE-建築は、建築における環境性能が決定する最初期の段階、つまり意匠設計時に使えるように開発されたということですね。

村松:
私達が提唱したいのは、意匠設計からの省エネ解析です。
BIMではフロントローディングが叫ばれておりますが、BIMを積極的に導入しようとする人の意識と、省エネのフロントローディングは近い関係にあるように感じます。


竹口:
BIMの普及とともに、需要は拡大していきそうですね。

村松:
平成22年の省エネ法改正では、300m²以上が届出の対象となったため、ほとんどのビル建築が届出対象となりました。
それまでは省エネ解析は努力義務でしたが、法改正によりニーズは拡大しました。
しかし、今年の省エネルギー基準の改正もあり、設計者や届出業務を担当する企業や部署では対応に追われているのが現状です。

 一方で、金利優遇などのインセンティブ制度を設けて、(アメとムチの政策で)環境性能を底上げしていこうという政府の方針があります。

CASBEEによる評価も、まだ一部の自治体に限られていることから、全国的に需要が拡大していくのはこれからと考えております。

低炭素社会に向けた住まいと住まい方の推進に関する工程表(出展:国土交通省)