よくある質問解説講座

第18回「プロジェクト共有 – 操作編 2 – 」

ArchitectLandmarkSpotlightDesigner

この記事は【2021年1月12日】に公開されたもので、2年以上経過しています。
記事の内容が古くなっていたり、新機能の追加・機能の改善が図られていることがあります。

18-4. 図面作成・集計

プロジェクト共有のビューポート

 Vectorworksでは図面作成をする時、シートレイヤビューポートを使用します。
ビューポートを使うことで、図面間の連携が保たれ、変更の管理を行いやすくなります。プロジェクト共有でもビューポートを使用し、平面図、断面図、詳細図などの図面を作成します。

断面ビューポートを作成コマンドで断面図を作成すると、「断面スタイル」クラスが自動的に作成されます。「読み取り専用」以上の権限レベルを持つ人は誰でも断面ビューポートを作成し、このクラスを作成できます。
ただし、「断面スタイル」クラスの編集・削除を行えるのは権限レベル「プロジェクト」以上のメンバーだけです。

権限レベルが「レイヤ(制限付き)」以下の場合、既存のシートレイヤにのみビューポートを作成できます。新しいシートレイヤを作成する必要がある場合は、「レイヤ」以上の権限レベルが必要です。

また、ビューポートをレイヤ間で移動したり、図面タイトル・図番を変更したり、注釈での作業や、ビューポートのクロップ編集を行うには、ビューポートをチェックアウトする必要があります。

ビューポートの注意点

ビューポートの編集で注意すべきは、注釈への入力をしても、ビューポート自体はチェックアウトされないということです。つまり、2人のユーザが同時にビューポートの注釈を追加することができます。追加された寸法やテキストなどは、チェックアウトされ、自分のものになります。

ビューポートを「コンテナ」として捉えることができます。チームメンバー全員がコンテナに入り、コンテナ内の情報を個別にチェックアウトすることができます。自分以外のメンバーを締め出すことなく、複数の作業を同時に行える柔軟性を備えています。
ビューポート内の作業を自分一人に制限する必要があれば、ビューポートをチェックアウトします。

ビューポートと同様に、グループはコンテナとして働きます。各チームメンバーはグループに入り、グループ内の個々のオブジェクトを編集したり、新しいオブジェクトを追加したりすることができます。また、これらのオブジェクトはそれを作成または編集したユーザにチェックアウトされます。
ビューポートと同様に、グループ自体をチェックアウトすることで、グループ内への独占的なアクセスを実現することができます。

 

プロジェクト共有のワークシート

Vectorworksでの集計はワークシートを使用します。
ワークシートはリソースですが、「レイヤ/リソース」 ではなく「レイヤ(制限付き)」以上の権限レベルで、ワークシートの作成、編集、削除を行えます。
また、既存のシートレイヤにワークシートを配置することも可能です。

Vectorworksのワークシートとオブジェクトは双方向の関係です。

ワークシートを変更すると、集計されているオブジェクトのジオメトリやデータが変更されます。(読み込みのみのレコードはワークシートから変更できません。)
そのため、オブジェクトに影響を与えるワークシートを変更するには、対象のオブジェクトをチェックアウトする必要があります。

例えば、一覧表に集計されているドアの適切な耐火等級を反映させる場合、ドアと壁がチェックアウトされている必要があります。必要な図形がチェックアウトしていない場合は、チェックアウトを促すダイアログが表示されます。

プロジェクト共有ではワークシートに関しても、変更や更新をチーム内で把握できるルールを設定してください。

ビューポートの更新やワークシートの再計算にチェックアウトは必要ありません。
チームメンバーは権限レベルに関係なく、ワーキングファイル内のビューポートを更新したり、ワークシートを再計算したりできます。
つまり、権限レベルが「読み取り専用」のユーザでも、すべてのビューポートとワークシートを更新して最新の情報を表示し、図面の作成・集計を行えます。

図面ラベルの修正は、図面ラベルを選択してオブジェクト情報パレットの図面タイトル図番を使用してビューポートごとに行えます。これは、「レイヤ(制限付き)」以上の権限レベルで行うことができます。

 

18-5. パブリッシュの設定

パブリッシュの機能も、通常のVectorworksファイルと同様です。プロジェクト共有のすべての権限レベルでワーキングファイルからパブリッシュコマンドを使用できます。(読み取り専用を含みます)

最新の情報がプロジェクトファイルに反映されるように、すべてのワーキングファイルがプロジェクトファイルに反映していることを確認してください。パブリッシュを行うワーキングファイルも同様に更新しください。

基本的には、単一のプロジェクトファイルで作業することを推奨しますが、出力用のファイルが必要になる場合もあります。出力用ファイルは、図面作成のために用意される別ファイルです。
モデルファイルと出力用ファイルとを併用し、すべてのシートレイヤは出力用ファイルで作成されます。(出力用ファイルのすべてのデザインレイヤはモデルファイルから参照)。

この場合、モデル・出力用ファイルは両方ともプロジェクトファイルにして、チームメンバーがそれぞれ2つのファイルにアクセスできるようにしてください。
ファイル管理の責任は増えるかもしれませんが、この分割により、多数のシートレイヤによるファイルサイズ・パフォーマンスの問題を緩和できます。

 

18-6. その他

2021年に、Cloud Services上でプロジェクト共有が可能になりました!
詳細は以下記事にてご確認ください。

 

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