よくある質問解説講座

第6回「アニメーションを取り出したい!」

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この記事は【2020年4月17日】に公開されたもので、2年以上経過しています。
記事の内容が古くなっていたり、新機能の追加・機能の改善が図られていることがあります。

Vectorworksのアニメーション機能を使用したことはありますか?
アニメーションはプロジェクトを視覚化し、理解しやすい資料として設計検討やプレゼンテーションに役立ちます。

今回はVectorworks 2020で新しくなったウォークスルーアニメーションの使用方法をご紹介します。

6-1. アニメーションについて

Vectorworksのアニメーションは、パスに沿ってカメラがモデル内を移動するウォークスルーアニメーションと、選択したオブジェクト・点を中心にカメラが回転するオービット/スピンアニメーションの2種類があります。

今回は「パスから作成」する、ウォークスルーアニメーションについてご紹介します。

 

6-2. アニメーションパスの種類

Vectorworks 2020から、アニメーションコマンドを実行するとアニメーションパス図形が作成されます。これにより、カメラの向きやパスを直感的に変更できるようになりました。

アニメーションパスイメージ
  アニメーションパス:
キーフレームごとにカメラの向き・速度・画角やカメラが通る道(パス)などを調整し、アニメーションの再生・取り出しに使用する図形

またアニメーションパスには3つのタイプがあり、作成方法によってカメラの動作が変わります。

  アニメーションパスのタイプ:
  •  ・ウォークパス
  •  ・フリーフライパス
  •  ・垂直投影オービットパス(今回は使いません)

選択したパスからウォークスルーパスを作成コマンドでは、ウォークパスかフリーフライパスのどちらかが作成されます。

同じコマンドでも、選択する図形や手順によって作成されるパスのタイプ(カメラの動作)が異なりますのでご注意ください。

6-3. ウォークパス

ウォークパスは、2D/平面ビューでプレイナー図形(2D図形:線・円弧・曲線・多角形など)をパスとして選択した場合に作成できます。

まずは1つ作成してみましょう。

6-3-1. 作成手順

1. 現在のビューから2D/平面を選択します。

2. プレイナー図形(2D図形:線・円弧・曲線・多角形など)を作図します。

今回は多角形ツールで×を頂点として作図しました。

3. 2の図形を選択し、モデルアニメーション選択したパスからウォークスルーパスを作成を選択するとアニメーションパスが作成されます。

4. オブジェクト情報パレットでカメラの高さを任意に設定します。

6-3-2. ウォークパスの特徴

ウォークパスイメージ

ウォークパスはアクティブレイヤにあるモデル(地形・スラブ・階段など)の表面を解析し、そこから指定した一律の高さ(カメラの高さ)の位置に作成されます。

段差に合わせてカメラの高さが変化するため、モデルの中を歩いてるようなアニメーションを素早く作成できます。

※柱状体の表面は解析しません。
※地形・スラブ・階段ツールはデザインシリーズでご利用いただけます。

 

6-4. フリーフライパス

フリーフライパスは3D多角形またはNURBS曲線をパスとした場合に作成できます。また、上項で紹介したウォークパスを変形するとフリーフライパスに変換されます。

6-4-1. 作成手順

1. 3D多角形またはNURBS曲線を作図します。

今回はNURBS曲線で×を頂点として作図しました。

2. 1の図形を選択し、モデルアニメーション>選択したパスからウォークスルーパスを作成を選択するとアニメーションパスが作成されます。

6-4-2. フリーフライパスの特徴

フリーフライパスは3D空間を通って指定したパスを正確に辿ります。

ウォークパスのように床の高さを解析しないので、高低差のある動きをする場合には、あらかじめ元図形で高さを設定しておきましょう。(後から変更することもできます。)

 

6-5. アニメーションの再生方法

アニメーションパスを選択すると、パスに沿ってカメラ図形が表示されます。
オブジェクト情報パレットの「再生」ボタンを押すと、パスに沿って移動するカメラの動きを確認できます。

また、キーフレーム:矢印ボタンを押すと、1つ前か1つ後のキーフレームにカメラ図形が移動します。

オブジェクト情報パレットの「カメラビューをアクティブにする」を選択すると、カメラ図形の中に入って一人称視点になります。この視点でもアニメーションの「再生」(またはキーフレームの移動)が行えます。

 

6-6. 編集方法

アニメーションパスを作成した直後、カメラビューはパスの方向に沿って設定されています。見せたい場所がきちんと映るように、次はこのカメラビューを編集してみましょう。

編集はカメラビューがアクティブな状態でも、非アクティブでも可能です。マルチビューを使用すると、どちらの状態も確認しながら編集できます。

※マルチビューウインドウは2018のバージョンからお使いいただけます。

6-6-1.カメラビューをアクティブにして編集

1. ウォークスルーツールの見回しモードを選択します。(カメラビューをアクティブにすると、自動で選択します)

2. 画面内でドラッグして、カメラの向きを変更します。

3. オブジェクト情報パレットのキーフレーム:矢印ボタンから次のキーフレームへ移り、続けて編集します。

6-6-2. カメラ図形をセレクションツールで編集

1. 2D/平面などの任意ビューで、セレクションツールを選択します。

2. 注視点を一度クリックし、カーソルを動かしてカメラの向きを決めたら再度クリックします。

※大体の方向を設定したら、カメラビューをアクティブにして微調整を行いましょう

6-6-3. パスの編集

アニメーションパスは、他図形と同様に変形ツールで編集することができます。

決まった方向へ変形する場合は、「Z軸(X軸・Y軸)へスナップモード」を使用するとスムーズに動かせます。

 

6-7. ムービーファイルとして取り出す

ムービーファイルとして保存すると、Vectorworksを使わなくてもアニメーションを確認できるようになります。

オブジェクト情報パレットの「ムービーを作成」を選択し、それぞれの項目を設定した後、「作成」ボタンでムービーを保存できます。

   

【ポイント】

ムービー作成時のポイントを3つほどご紹介します。

  ムービー作成のテストについて

指定した秒数やフレーム数、レンダリングの種類などにより、作成時の処理には時間がかかります。

まずはフレーム数を低く(5-10などに)したり、レンダリングを低品位に設定したりして、テスト的に作成してみましょう。修正を行った後に、高い品質で作成した方が効率的です。

 

  レンダリング処理について

アニメーションのレンダリング処理は、ローカル(自分のPC)とVectorworks Cloud Servicesのどちらで行うかを選択できます。

Vectorworks Cloud Servicesを選択すると、レンダリング処理中もローカルで別作業が行え、時間の短縮に役立てられます。

Vectorworks Service Selectのご契約者様のみご利用可能です。
※Vectorworks Cloud Servicesについてはこちらをご覧ください。

 

  フレームサイズについて

標準のフレームでは、指定したパス・速度でカメラが移動し、指定した方向を見る動画になりますが、「360°動画」を選択すると、見る方向を視聴している側が自由に動かせるパノラマムービーが作成できます。

空間を体験できるインタラクティブな資料として、ぜひご活用ください。

※パノラマムービーの再生には、対応したビューアが必要です。

6-8. その他

2019年12月5日に行った「Vectorworks Live in 2019」では、Polygon Architects, 山川 佳伸様にユーザ注目機能としてウォークスルーアニメーションをご紹介いただきました。

公演内容はyoutubeからご覧いただけますので、こちらもぜひご覧ください。(1:56:46あたりからです)

 

この機能を利用できる製品

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2D/3D汎用作図機能に、プレゼンボード作成機能や図面と連動できる表計算機能など、数多くの基本作図機能に加え、高品質レンダリング&3Dビジュアライズ機能を搭載したVectorworksシリーズの基本製品
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