Architect解説講座

第23回「壁構成要素の回り込み」

ArchitectLandmarkSpotlightDesigner2022

この記事は【2022年3月1日】に公開されたもので、2年以上経過しています。
記事の内容が古くなっていたり、新機能の追加・機能の改善が図られていることがあります。

Vectorworks 2022から、窓やドアの開口部に壁構成要素の回り込みを定義し、よりリアルなBIMモデルと精確な2D図面が作成できるようになりました。

今回は、この設定方法をご紹介します。

2021までのバージョンでは、額縁などを設定していない場合、開口部に壁の断面が見えてしまっていました。実際には、仕上げを内側まで回り込ませる、クロスを巻き込む、などの表現が必要だったかと思います。
2022のバージョンからは、構成要素ごとにどこまで回り込ませるかを設定できます。

壁構成要素の作成方法については、こちらをご覧ください。

第2回「壁ツール」

23-1. 回り込みの設定

壁オブジェクトは、壁スタイルで設定した構成要素を使用するか、オブジェクト個々に構成要素を設定するか、が選べます。
それぞれの回り込みの設定をご紹介します。

23-1-1. 壁スタイルが使われている場合

1. 対象の壁図形の上で右クリックをして、壁スタイルの編集を選択します。

2. 壁スタイルの設定ダイアログの壁へ挿入時の端部処理をクリックします。

3. 形状タブでは、開口部に向かって壁の角度やRをつけられます。
ここでは、外側形状タイプ:隅切り、角度:45、斜長:80と設定します。

4. 回り込みタブをクリックし、どの構成要素をどこまで回り込ませるかを設定します。
ここでは、サイディング石膏ボード回り込みにチェックを入れ、回り込み対象を<コア中心部>、挿入物に回り込みにチェックを入れます。

 

  オフセット設定

構成要素をどこまで回り込ませるかの設定は、オフセットに数値を入力し、数値指定することも可能です。

 

5. OKをクリックしてダイアログを閉じます。次に表示される壁スタイルの置き換えダイアログはそのままOKで閉じます。

6. まだこの時点では、何ら変更はされていないように見えます。

23-1-2. 壁スタイルが使われていない場合

1. 壁図形を選択し、オブジェクト情報パレットの壁へ挿入時の端部処理をクリックします。

2. 回り込みタブをクリックし、どの構成要素をどこまで回り込ませるかを設定してOKします。

 

  チェックが入れられない時は

構成要素でコアが設定されていないと回り込みの設定もできない仕様になっています。コア設定をしていない場合は、オブジェクト情報パレットの構成をクリックしてチェックを入れてください。

  壁の高さ設定

壁スタイルによっては高さ基準にレイヤがあらかじめ割り当てられているスタイルがあります。その場合、対象のレイヤが存在していないと回り込みの表示もされない可能性があるので、ご確認ください。

23-2. 建具側での壁との取り合い設定

壁側での設定ができたら、建具側でその設定を反映させるかどうかを決めます。建具の属性が、プラグインオブジェクトか、シンボルかで設定方法が異なります。

23-2-1. 窓ツールなどプラグインオブジェクトの場合

1. 図形の上で右クリックし、プラグインオブジェクトオプションを選択します。

2. 壁との取り合い設定を使用にチェックを入れます。

3. OKをクリックすると、その建具の周囲の壁構成要素が回り込まれていることが確認できます。

 

  テクスチャがずれる時は

サイディングの目地など、回り込ませた部分のテクスチャが壁面とずれてしまう時は、壁を選択し、オブジェクト情報パレットの原点に基準平面を使うにチェックを入れます。 

  回り込みの表示がされない時は

窓にかい木厚の設定がされている場合は、回り込みの表示がされない時があります。窓図形を選択し、オブジェクト情報パレットの詳細設定からだきと枠かい木厚:0にしてください。 

23-2-2. シンボルの場合

1. リソースマネージャパレットのシンボル図形の上で右クリックして、シンボルオプションの編集を選択します。

2. 壁との取り合い設定を使用にチェックを入れてOKします。

3. 配置したシンボル図形を個別に設定変更したい場合は、オブジェクト情報パレットの壁との取り合いをクリックします。

4. 壁の設定を使用のチェックを外して、各設定をします。

 

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