よくある質問解説講座

第14回「ハッチングの作り方」

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この記事は【2020年9月1日】に公開されたもので、2年以上経過しています。
記事の内容が古くなっていたり、新機能の追加・機能の改善が図られていることがあります。

Vectorworksに昔からある機能、ハッチング。とはいえ、その作成方法が実はよく分からない、という方もいるのではないでしょうか。

ここでは、ハッチングを新たに作成する方法と、Vectorworksに収録されているハッチングの使い方、割り当てたハッチングを編集する方法についてご紹介します。

14-1. 新たに作成する方法

ハッチングには、元々「細かい平行線を引く」という意味があります。ハッチングの作成は、この「細かい平行線」をどの方向にどのくらいの間隔で引くのか、を1本ずつ設定していくイメージです。

14-1-1. 作り方の基本

1. リソースマネージャ新規リソースをクリックし、ハッチングを選択して作成をクリックします。

2. ハッチング編集ダイアログが開きます。拡大/縮小の縮小ボタンをクリックすると1/2に縮小表示され、プレビューに3種類のハンドルが表示されます。

3. 各ハンドルをマウスドラックで動かすか、数値を入力して設定をします。

  第1基準点
第1基準点は、ハッチングの基点です。第2基準点や間隔はこの基点からの距離(L)や角度(A)が適用されますので、ここでは0のまま動かさないようにします。

4. 第2基準点を「L:30」「A:90」に変更してみます。縦方向のラインに変わります。

5. 破線間隔を「0.5」に変更してみます。実線から破線に変わります。
線の長さは、第2基準点の「L:30」× 破線間隔「0.5」=15mmです。

6. 間隔を「L:10」「A:0」に変更してみます。第1基準点から水平に10mm離れたところに同じ破線が表示されます。

7. 別の平行線を追加したい場合は、「レベルを追加」をクリックします。
第2基準点「A:0°」間隔「A:90°」に設定をすると、横方向の実線が引けます。

  第2基準点と間隔の角度
第2基準点と間隔は、同じ角度に設定することはできません。
編集途中で同じ角度になりそうな場合は、一旦どちらかを違う角度にして直してください。

 

8. 先に設定した破線を編集したい場合は、「アクティブ:レベル-1」に切り替えて数値を変更します。

9. 面全体の色を変更したい場合は「背景色」から、線の色を変更したい場合は「」の色から設定します。

  線の色
線の色は、レベルごとに設定ができます。(上記はレベル-1のみオレンジ色に設定)
すべてのレベルを同じ色にしたい場合は、色を同じに設定をクリックします。

14-1-2. コンクリートハッチングを作成

作成例として、斜線3本で表示する一般的なコンクリートハッチングを作ります。

1. リソースマネージャ新規リソースをクリックし、ハッチングを選択して作成をクリックします。

2. 第2基準点「A:45」、間隔「L:1000」「A:-45」に設定します。

*今回は実線のため第2基準点の「L:」の数値は何でも構いません

3. レベルを追加し、2本目の線として以下の設定をします。第2基準点や間隔は変えず、第1基準点のみ「L:50」移動します。

4. 再度レベルを追加し、3本目の線を設定します。レベル2よりさらに50mm移動し、第1基準点 「L:100」とします。

5. 「名前:コンクリート」と入力し、OKボタンでダイアログを閉じます。

  取り消しとやり直し
ハッチング編集ダイアログ内での操作を取り消したい場合は、取り消し(command またはCtrl +U)を、取り消しを取り消したい場合は、やり直し(command またはCtrl +R)をクリックします。
ここでは通常操作のショートカットではなく、独自のショートカットが割り当てられているのでご注意ください。

14-2. 搭載されているハッチングの使い方

Vectorworksには一から作成しなくても、あらかじめ500種類以上のハッチングが収録されています。
これらは、属性パレットやリソースマネージャから使う方法と、ハッチングコマンドを使用する方法があります。

14-2-1. 属性パレットから使う

1.図形を選択し、属性パレットの面の属性を「ハッチング」にします。

2. ハッチングの種類をクリックして、VectorworksライブラリDefaultsAttributes – Hatches_Default Hatchesファイルをクリックし、任意のハッチングをダブルクリックして選択します。

3. Attributes – Hatchesフォルダには、Default以外にもいくつかハッチングのファイルがあるので、他も見てみましょう。

4. ハッチングの表示をなくしたい場合は、属性パレットの面の属性を「カラー」に戻します。

14-2-2. リソースマネージャから使う

1. リソースマネージャを開き、VectorworksライブラリDefaultsAttributes – Hatches をクリックして任意のファイル名をクリックします。

2.図形を選択して、リソースマネージャのお好きなハッチングをダブルクリックするか、リソースマネージャからハッチングをドラッグし、図形が赤く協調表示されたら手を離して割り当てます。

3. 図形を選択して属性パレットを見ると、面の属性が「ハッチング」になっています。ハッチングの表示をなくしたい場合は、「カラー」に変更します。

14-2-3. ハッチングコマンドを使う

1. 図形を選択し、加工ハッチング をクリックします。

2. 「ハッチング名:」から任意のハッチングを選択し、OKします。

3. 図形の目地の位置でクリックし、角度を決めて再度クリックします。

4. ハッチングコマンドを使用した場合は、元図形とは別に、線が集まったグループ図形が新たに作成されています。ハッチング表示をなくしたい場合は、グループ図形を選択して削除します。

14-3. 割り当てたハッチングの編集

属性パレットかリソースマネージャからのハッチングは、割り当てる際に目地の位置や角度が決められません。
ここでは、「12インチタイル HF」を例にデフォルトで目地位置がどう設定されているかと、割り当てた後の編集方法をご紹介します。

14-3-1. 第1基準点の位置

1. ハッチング編集ダイアログで、レベル-1の第1基準点がデフォルトの「X:0」「Y:0」に設定されている場合、ハッチングは座標の原点から貼り始められています。

2. 図形の位置を動かすと、目地の位置(ハッチングの表示範囲)が変わります。

14-3-2. 属性マッピング編集

1. 図形を選択し、属性マッピングツールをクリックします。

2. 図形に表示された四角い枠の赤いラインと緑のラインの交点が第1基準点になります。マウスドラッグして目地位置を決めます。

3. サイズを変更したい場合は、四角い枠の青いポイントにマウスカーソルを合わせてクリックします。マウスを動かして大きさを決め、再度クリックします。

  倍率で変更
ハッチングのサイズを数値で設定したい場合は、Tabキーを押すと元のサイズから倍率で変更ができます。

 

4. 角度を変更したい場合は、四角い枠の辺の中心にある青いポイントにマウスカーソルを合わせてクリックします。マウスを動かして角度を決め、再度クリックします。

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