実践OpenBIM

10. Solibri Model Checkerの紹介

10-2. Solibri Model Checker の使い方

SMCを起動すると、以下の画面が開きます。

タブが5つ「ファイル」「モデル」「確認」「プレゼンテーション」「情報の取り出し」と並んでいますが、向かって左側のタブから順に操作していくのが基本となります。

10-2-1. 「ファイル」タブ

この画面は、IFCファイルの取り込みを主に行ない、過去に用いたIFCファイルを履歴管理する画面と、IFCモデルが格納されている場所を示す管理画面がデフォルトで表示されます。

また、SMCの言語環境の変更や、各種環境設定、「Ruleset Manager」へのアクセスはここから行ないます。

ファイルタブ

 

10-2-2. 「モデル」タブ

この画面は、Solibri Model Viewer とほぼ同じとなりますが、SMCが日本語表記に対応したことで、IFCに対する親近感が湧くのではないでしょうか。

モデルタブ

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9. GLOOBEとのIFC検証

9-3.検証に用いた建物について

今回、検証に用いた建物は、以下の通りです。

  • 階数:地上2階、地下1階
  • 階高:4000mm
  • 部屋数:5(機械室2、事務室2、会議室1)

必ず用いる部位として、以下のものを用いました。

  • スペース(Space)
  • 梁(Beam)
  • 柱(Column)
  • 床/スラブ(Slab)
  • 壁(Wall)
  • 窓(Window)
  • ドア(Door)
  • 地形/地盤(Site)

建物パース

建物立面 / スペース平面

各階天伏図

ミニツール

リアルタイムパラメータ

Vectorworksのプラグインオブジェクトには、様々なパラメータが搭載されており、開口部の編集を自由に行うことができます。ただ、開口部のスタディーとしていろいろな大きさを検討したい場合、データパレットや設定ダイアログで入力するよりも、スライダーなどで直接的に変更したいときがあります。そこで、窓の幅や高さ、高さ位置をダイレクトに調整できる道具をつくりました。

“リアルタイムパラメータ” の続きを読む

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8. CADWe’ll TfasIV との連携

「壁スタイルの置き換え」で、内壁、外壁を一括で設定変更します。

壁スタイルの置き換え

 

柱を挿入していきます。
( 一番最初に柱を配置し、壁を作成、スペースを自動作成という方法もあります。 Vectorworksは、モデリングの方法が多様で柔軟です。)

柱の挿入

 

建具や階段を挿入します。 建具や階段等の建築要素は、3Dパラメトリックモデルとして用意されているので、モデリングするというより、配置していく感覚に近いです。

建具の挿入

スラブを作成します。
柱が貫通する部分等、BIMならではの考慮点があります。正確にモデリングすることを意識して下さい。

スラブ作成

ツールセットの「詳細」より軸組ツールを選択して単純梁を作成し、柱間を渡します。この際、壁の高さを調整して、梁とかぶらないように調整します。

モデリング過程1

ツールセットの「家具/建具」より「天井格子」を選択して天井を作成します。

モデリング過程2

2階に1階モデルを複製します。必要であれば修正を加えます。

モデリング過程3

3階を作成します。

モデリング過程4

屋上スラブと、棟屋、手摺を作成します。

モデリング過程5

カスタムモデルは一切存在しませんので、このままIFCとして出力します。
(通り芯は、IFCを出力するアプリケーションによっては、出力されない場合があります。)

連携アプリケーションへIFCを渡す際は、Solibri Model Viewer等の中立的なビューアー でモデル形状等を確認しましょう。

SMVでの確認

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7. ダイテックに聞く

竹口:
使ってほしい業種はやはり設備業でしょうか。

山口:
総合設備CADですので、当然設備設計業が主なターゲットとなりますが、CADWe’llは建築・建設に関わる方々に使って頂けると思います。

竹口:
御社製品の特徴をお教え下さい。

山口:
ダクトや配管の「ルーティング」機能は大きな特徴と言えますが、直感的な操作感と設備専用機能の充実、そして何よりも「サクサク」と軽快に作図できることです。

また、BE-Bridge 5.0やIFC2x3等へのタイムリーな対応も製品の特徴と言えます。

電気パイプ

電気パイプ3D

芦原:
CADWe’llは完全な3D-CADと言うよりも、2Dで作図して、ポイントを3Dで確認していくイメージに近いですね。
複雑な取り合いや納まりは、3Dでないと確認出来ない場合もあるので、その際は3Dが威力を発揮しますが、作図は2Dベースで軽快に動きます。

冨田:
とにかく設備図面は、時として膨大な枚数になります。 本当に現場で使えるCADを主眼に開発していますので、動作が緩慢になることだけは避けたいのです。

竹口:
本当に現場で使えるCADというと?

製品カタログ

芦原:
現場の技術者が、バリバリと図面が描けるCADのことです。
一昔前は、CADというとオペレータが操作するものでしたが、設備設計の現場を知る人間が図面を描ければ、それだけで大きな効率化を果たします。

冨田:
それから、弊社製品は、ソフトウェア使用料という概念で、ご提供しています。
製品ラインナップも「時間課金」「月額レンタル」「5年間レンタル」などお客様の現状にあった形態での提供方法をご用意しています。
「時間課金」は、使用した分だけ利用料をお支払い頂き、使用しなければお支払いは0円というライトユーザ向け提供方法です。
「月額レンタル」は、工期が短期間の現場事務所などで、工期の間だけご利用頂くのに最適な提供方法です。
その他にも様々な利用形態をご用意しています。

竹口:
パッケージ販売じゃないのですか!、かなり先進的ですね。

多口継手

多口継手3D

芦原:
実は、弊社は以前 本屋さんを経営しておりまして、その時に本の受注管理システムや、ネット販売システム等は全て自社で開発した経緯があります。WEB経由での認証や課金のシステムは、そう難しいことではありませんでした。

竹口:
設備設計を3Dで行なうメリットをお教え下さい。

山口:
2D図面で複雑な納まりを検討するには、ある程度の経験が必要になりますが、3Dなら一目瞭然です。
また、設計の初期段階で、イメージを共有することができるので、目的とする到達点のズレが少なくなります。
昨今、BIM イコール 3D と思われがちですが、「モデルやオブジェクトにいかに情報を持たせて、それを活用するか」といった、情報付けや利用方法もBIMです。
設備の世界では、技術計算に必要な情報をいかに持たせるか、これがとても重要なことなのです。

3D全体図

データ互換