実践OpenBIM

10. Solibri Model Checkerの紹介

10-3. まとめ

かなり駆け足でSMCを説明いたしましたが、今回の機能(特にルールチェックの部分)は、ほんの一部分に過ぎません。

実は、公開しているIFCモデルに行き着くまでに、紆余曲折がありましたが、それらのバージョンチェック(変更履歴の確認や管理)でもSMCは活躍しました。

また、「実践OpenBIM」にて協力企業様とやり取りしたIFCも、ネイティブデータとIFCデータでの書出しモデル数に齟齬が無いか、などのチェックで活用しております。

モデリング精度は、モデル作成者自身でその精度を担保すべきなのか、SMCの様な外部ソフトウェアにて確認すべきなのか(確認する場合は、他に確認するリソースが必要)、未だ意見が分かれるところではありますが、SMCが一瞬でルール外の条件を洗い出してくれることは事実です。

また、今後、BIMが建築の情報データベースとして活用された際には、モデリングの精度も然ることながら、情報の精度が要求されてきます。

その際の確認作業は、一体誰が何を用いて行なうのか….難しい問題です。

SMCが日本に上陸して間もないですが、Vectorworksのように皆様に愛される製品となるようにがんばりますので、応援のほどよろしくお願いします。

SMCの詳細はこちらをご覧ください。

実践OpenBIM

9. GLOOBEとのIFC検証

9-9. まとめ

GLOOBEとの技術検証を行なっている間、日本国内のBIMの動きは活発で、社団法人日本建築家協会から「JIA BIMガイドライン」が発表され、社団法人日本建築積算協会からも「BIMデータ作成ツールと建築積算システムのデータ連携用中間ファイルの提案」が発表されました。

これらのガイドラインや提案を読むと、その内容の過半がデータ連携か、それに関連する項目となっており、BIMの「 I(Information)」の充実がいかに重要かが伺えます。

しかし、IFCを活用したデータ連携の厳密なルールは、現在仕様策定中であり、オフィシャルな情報となって世に出るまでは、今回の検証のようなユーザー同士、またはベンダー同士での事前の約束事が重要となります。

麓から山頂につづくトロッコは既に完成されており、切り出した山土を積載するか、収穫した果実を積載するか、はたまた観光目的で使うか…これらはトロッコを運営する側が自由に決めることができるのです。

「乗せるものを誰かが決めてくれないと、トロッコを運営することはできない…」等とは誰も考えないように、IFCを用いたデータ連携も、やり取りのルールさえ決まってしまえば、手放せない程便利であるはずです。

全てのデータが編み目のように連携することを目指すのではなく、まずは必要かつ可能な所から連携をしていくことが成功の秘訣でしょう。

 

協力
福井コンピューターアーキテクト株式会社

GLOOBE 2013の詳細は福井コンピューターアーキテクト株式会社までお問い合わせ下さい。

ミニツール

リアルタイムパラメータ

Vectorworksのプラグインオブジェクトには、様々なパラメータが搭載されており、開口部の編集を自由に行うことができます。ただ、開口部のスタディーとしていろいろな大きさを検討したい場合、データパレットや設定ダイアログで入力するよりも、スライダーなどで直接的に変更したいときがあります。そこで、窓の幅や高さ、高さ位置をダイレクトに調整できる道具をつくりました。

“リアルタイムパラメータ” の続きを読む

実践OpenBIM

8. CADWe’ll TfasIV との連携

8-4. まとめ

ご存知の方も多いかとは思いますが、ダイテック社の設備CAD製品の歴史は長く、ユー ザーも多く抱えています。

その製品がopenBIM対応となったことは、本格的なBIM時代の到来を物語っていると言えるのではないでしょうか。

CADWe’ll TfasIV、Vectorworks Architect 双方のIFCは相性も良く、モデルの欠落等は皆無でした。

また、設備のように3D上で複雑に納まる物体は、3D的な視点で確認しながらモデリングすることで、ミスが減り効率的になります。

CADWe’ll TfasIV は、設備設計に特化しているため、Vectorworksのような意匠系アプリケーションでは到達できない操作・モデリング環境を有しています。

建築では分業が進み、それぞれが手になじんだツール(BIMアプリケーション/CAD)を持っています。

BIMはツールではなく、概念です。手になじんだツールを持ち替えることなく、IFCのような標準化されたファイルを用いて、スマートでオープンなファイル交換を目指すことが重要です。

 

モデリング協力
株式会社ダイテック
株式会社ダイテック

使用アプリケーション
CADWe’ll TfasIV
CADWe'll TfasIV

CADWe’ll TfasIVの詳細は、株式会社ダイテックまでお問い合わせ下さい。

実践OpenBIM

7. ダイテックに聞く

竹口:
弊社はIAIに所属しておるのですが、御社もIAIの活動には積極的ですね。

山口:
はい、IAIでは、”技術統合委員会”の委員長を弊社の人間が務め、”設備・FM分科会”、”インプリメンテーション分科会”にも参加しております。
また、設計製造情報化評議会(C-CADEC)等にも積極的に参加しております。

竹口:
では、今後のopenBIMへの期待や要望があればお聞かせ下さい。

山口:
建設のプロセスには多くの人が携わるので、特定の企業とか、特定のソフトウェアメーカーだけがBIMに対応するのではなく、業界全体でBIMを推進していく必要があります。
国交省がBIMの試行案件を求めるなど、国レベルでもBIMへの感心が高まってきておりますので、BIMに対する理解も数年前よりも格段に上がってきています。
BIMやopenBIMの普及により、今までできなかったことが実現可能になります。ここに大きな感心があると共に、期待を寄せています。

インタビュー風景

竹口:
ありがとうございました。
引き続き、連携も宜しくお願いします。

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6. FlowDesigner 9 との連携

6-3.まとめ

環境系シミュレーションでは、解析結果を得るだけでなく、その結果を設計にフィードバックし、より良い設計へ導くことが重要と言えます。

ツールの進歩や社会情勢により、設計の時間はどんどん短くなる傾向にありますが、その中で効率よく解析結果を設計に盛り込む為にも、”解析の為のモデリング”等の2度手間を無くし、少ない手順で結果を得られることが理想です。

Vectorworks Architectからの精度の高いIFC取込みを実現するFlowDesigner9は、”やれることが前倒しになる”BIMワークフローに即した使い方が出来る、解析ツールでしょう。

 

解析協力
株式会社 アドバンスドナレッジ研究所
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使用アプリケーション
FlowDesigner 9
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FlowDesigner9の詳しい内容は、株式会社アドバンスドナレッジ研究所へお問い合わせ下さい。