Vectorworks Spotlightには、舞台などにカーテンや幕を簡単に配置することができるソフトグッズツールを搭載しています。
今回は、このソフトグッズツールの機能についてご紹介します。
20-1. 概要
ソフトグッズツールでは、カーテン、一文字幕、カーテンパーテーションといった形式を選択して、舞台やステージにカーテンや幕を設定することができます。
ソフトグッズオブジェクトはパスに沿って描画されるため、直線だけではなく曲線に沿って配置することも可能です。
また、2Dと3Dの両方の属性を持って作成されるため、2D図面だけでなく3Dのパース図でもご利用いただけます。
使用用途
ソフトグッズツールで選択できるカーテン、一文字幕、カーテンパーテーションの3つの形式は、それぞれどのような使用用途でどんな設定ができるのか、一部の設定をピックアップしてご紹介します。
カーテン
一文字幕と異なり、直線だけでなく曲線で配置することができます。
また、オブジェクト情報パレットの設定から、カーテン上部にパイプを追加したり、開閉位置や開閉の幅を指定して、任意の位置でカーテンの開閉を表現できます。
一文字幕
舞台の上(かみ)から下(しも)にかけて、横に長く張られた幕。
水引幕と呼ばれることもあり、舞台全体の高さを調整したり、上部の照明機材などを覆い隠す役割があります。
基本的に頂点指定モードで真っ直ぐ一文字に配置します。
カーテンとの違いは、下図のように中心線がひだの奥行き分外側にずれており、オブジェクト情報パレットの逆位置オプションを有効にすることで、中心線を基準に反転させることができます。
カーテンパーテーション
イベントなどのブースの間仕切りとして配置するカーテンパーテーションを作成します。
カーテンパーテーションでは、カーテンレールオプションを使用してレール一本当たりの長さを設定したり、台座オプションにて台座の形状や位置などを設定できます。
また、両面オプションを有効にすることで、自動的にレールが一本追加され、両面ドレープとして配置することも可能です。
両面ドレープについて詳しくは後述します。
20-2. 使用方法
作図手順
1. イベント計画ツールセットパレットのソフトグッズツールを選択します。
2. ツールバーから作図モード(頂点指定モードやベジェポイント指定モード等)を選択します。
3. ツールバーのソフトグッズツール設定ボタンをクリックし、形式や高さなど、作成するソフトグッズの設定をします。
(この設定は後からオブジェクト情報パレットで変更可能です。)
4. 図面上の必要な箇所にソフトグッズを作図します。
作図方法は、多角形ツールや曲線ツールと同様です。
始点でクリック>(必要な頂点数クリック)>終点でダブルクリックの順で作図します。
下図のようにトラスオブジェクトにスナップさせてカーテンを作図すると、自動的にトラスと連動するため、トラスの高さを変更すればカーテンも一緒に高さが変更されます。
20-3. Vectorworks 2022での新機能
スタイルとして保存
作成したソフトグッズをスタイルとして保存することができるようになりました。
作成したソフトグッズを選択し、オプジェクト情報パレットのスタイルの項目からスタイルなしのプラグインから新規プラグインスタイルを作成を選択して保存することで、いつでも同じ設定のソフトグッズを呼び出すことができ、再設定を行う手間を省くことができます。
スタイルはファイル内にリソースとして保存されるため、異なるファイルでも保存したスタイルを取り込むことで使用することができます。
両面ドレープ
ソフトグッズツールで選択可能なカーテンパーテーションにて、両面ドレープを設定できるようになりました。
カーテンを二重で設定することで、音や光を効率的に遮断したり、面と裏で別々の色の設定が可能です。
まずはオブジェクト情報パレットの両面オプションを有効にします。
その後、3Dオプションボタンをクリックして表示される3Dオプションダイアログにて、前面布地と背面布地を別々に設定することができます。
重量計算
全てのドレープと選択した構造部材の単体の重さ、または総重量を選択して入力できるようになりました。
ソフトグッズツールを使用することで、ステージや舞台のカーテンや幕を簡単に表現できるようになります。ぜひご利用ください!
この機能を利用できる製品
Vectorworks Spotlightステージプランニングやライティング計画に対応した先進的な舞台照明計画支援機能、さらには各種メーカー製のトラスや照明機材、音響機器等の豊富なデータライブラリを搭載したエンタテインメント業界向け製品 |
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