よくある質問解説講座

第18回「プロジェクト共有 – 操作編 2 – 」

ArchitectLandmarkSpotlightDesigner

18-2. リソースの作成・編集

リソースや非描画データを作成・編集するには、「レイヤ/リソース」以上の権限レベルが必要です。リソースの作成・編集プロセスは、通常のVectorworksファイルで行われるのと同じです。

2人のプロジェクトチームメンバーが同じリソースを変更しようとすると、エンティティの重複ダイアログで警告を受けます。
例えば、1人のユーザがリソースを変更してプロジェクトファイルに反映し、別のユーザがワーキングファイルで同じリソースを変更した場合、ワーキングファイルの反映・更新時にエンティティの重複ダイアログが表示されます。

プロジェクト共有では、2種類の重複が発生する可能性があります。

    • リソースの重複
      同じ名前のリソースがプロジェクトファイルに既に存在する場合に発生します。これには、既存のクラス、レベル、レイヤ、ストーリ名の競合が考えられます。
      エンティティ名の重複ダイアログでは、反映しようとしているリソースの名前を変更するか、リソースを破棄するかを選択できます。

    • リソースの同時実行
      これは、誰かが自分より前に既存リソースの変更をプロジェクトファイルに反映した場合に発生します。このとき、作業エンティティの重複ダイアログには以下の3つのオプションが表示され、対応を選択します。
      ・リソースを上書き
      ・変更したリソースの名前を変更
      ・リソースへの変更を破棄

 

18-3. 参照

プロジェクト共有での、さまざまなタイプのファイル/リソースの参照方法も、通常のVectorworksファイルと変わりません。ただし、ワーキングファイルで参照を使用するには、特定の権限が必要です。

参照するファイルは、プロジェクトファイルと同じサーバーに保管し、すべてのチームメンバーがボリュームへの読み書きに適切な権限を持っていなければなりません。

参照を絶対参照パスではなく相対参照パスにした場合、プロジェクトファイルからの相対パスとなります。
また、参照元はプロジェクトファイルと同じサーバー上にある必要があります。クラウド上のストレージを使用している場合は、プロジェクトファイルと同じフォルダ内に配置してください。

 

プロジェクトファイルを、他のプロジェクトファイルや通常のVectorworksファイルから参照できます。
例えば、建物モデル用のプロジェクトファイルを地形モデル用の通常のVectorworksファイルへ参照できます。

ワーキングファイルではなく、プロジェクトファイル自体を参照する必要があります。

 

参照に必要な権限レベルは以下です。

    • 「レイヤ(制限付き)」以上:
      PDF、画像ファイル、DWGファイルへの参照を作成、編集、削除
    • 「プロジェクト」以上:
      Vectorworksファイルへの参照を作成、編集、削除するには、通常のファイルとプロジェクトファイルの両方で、権限レベル「プロジェクト」以上が必要です。
レイヤの取り込み参照を使用する場合、参照の更新には権限レベル「プロジェクト」以上が必要になることがあります。これは、更新によって新しいクラスを取り込む(= 新しいクラスを作成する)ための権限が必要だからです。

  参照の更新に注意

ワーキングファイルで参照が更新されると、「参照の更新」自体が変更として認識され、プロジェクトファイルに反映されてしまうので注意が必要です。これは更新にも影響します。
複数の参照がある場合は、すべての参照を更新するのではなく、ワーキングファイルでの操作に必要な参照だけを更新するのが理想です。これにより、反映更新の時間を削減できます。

お知らせ

Countdown 2021:コラボレーションの改善は、私たちをより良い関係へと導く

Vectorworks 2021のリリースまでに、イチオシの機能をご紹介する「Countdown 2021」も今回が最終回となりました。
効率よく作業を進めていく上でなくてはならない、コラボレーション機能の改善点についてご紹介します。

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お知らせ

Vectorworksオープンキャンパスおよびセミナーの開催について

新型コロナウイルス感染拡大防止の対応といたしまして、お客さま、および従業員の健康や安全面を第一に考慮し、対面型のイベントセミナーおよび勉強会の開催および出展を、当面の間、中止もしくは延期させていただきます。

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お知らせ

第3回目「Vectorworks Landmark WEB勉強会」開催のお知らせ

Vectorworks Landmark の機能を中心に、ユーザのみなさまからご質問いただく機能をWEB上で操作してご紹介する「Vectorworks Landmark WEB勉強会」を、12/22(火)に開催いたします。
第3回目のテーマは、複数の植物を指定した割合で配置できる機能「ランドスケープエリア」です。

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お知らせ

Countdown 2021:3Dモデリングの機能強化は、より速い設計を可能にする

Vectorworks2021のリリースまでのカウントダウンが始まりました!
本ブログでは、来年1月13日、リリース日までの毎週金曜日に、イチオシの新機能をピックアップしてお届けします。
本日の項目は、「3Dモデリング機能の改善により、マウスのクリック数が半分になる

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お知らせ

【事例】葉脈の庭:ある会社がいかに高級マンションに命を吹き込んだか

Vectorworksは新しいバージョンのリリースのために、Architect、Landmark、Spotlightの各プロダクトのイメージ画像を世界中から選出します。
Vectorworks Landmark 2021のシグネチャーイメージには、株式会社プレイスメディアが手がけたランドスケープデザインが、はじめて日本から起用されました。
今回は、世界に向けて発信された裕沁庭デザインの記事をご紹介します。

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よくある質問解説講座

第17回「プロジェクト共有 – 操作編 1 – 」

ArchitectLandmarkSpotlightDesigner

プロジェクトファイルの保存場所

プロジェクトファイル(.vwxpファイル)は、必ずチームメンバー全員がアクセスできるサーバか、共有のネットワーク上に保存します。

また、プロジェクトファイルを保存するフォルダは、チームメンバーがフルアクセス(読み取り・書き込み・名前の変更・削除・作成など)できる必要があります。これは、チェックアウトリリース反映更新を行うために必要な条件です。

ネットワーク上のプロジェクト共有で作業する時、Vectorworksのパフォーマンスは、利用可能なネットワーク帯域幅に依存します。ネットワーク帯域が不足していると、ネットワーク上で大量のデータを転送する操作が遅くなります。

  通信速度

最低でもファストイーサネット(100Mbit/s)のネットワーク接続を推奨します。大規模なプロジェクトでは、ギガビットイーサネット(1Gbit/s)ネットワークを使用することを強くおすすめします。
1Gbit/s未満のネットワークでも、大量のデータを転送する操作(反映更新など)を最小限に抑えれば、快適なユーザエクスペリエンスを保てます。
チェックアウトやリリースはデータ転送を行いません

ワーキングファイルの反映更新を行うタイミングやルールは、プロジェクトチーム内で決めておくことを、強くおすすめします。

クラウドベースでの共有

プロジェクトファイルは、クラウドストレージを使用して共有することも可能です。サポートされているクラウドストレージは以下のものがあります。

    • Dropbox
    • OneDrive
    • Google Drive
    • Box
  Cloud Services上で利用可能に!

2021年にCloud Services上でのプロジェクト共有が可能になりました!
詳細はこちらからご確認ください。
Cloud Services解説講座:第7回「共有フォルダの新機能」

これらに対応するデスクトップアプリケーションをインストールし、プロジェクト共有用のフォルダを作成します。
このとき、プロジェクトファイル自体を共有しないように注意してください。

共有後の注意点:
プロジェクトファイル(または保存したフォルダ)をクラウドに配置した後は、絶対に再アップロード・移動・コピーしないでください。
プロジェクトファイルとワーキングファイルの間に接続の問題が発生します。

 

ワーキングファイルの保存場所

ワーキングファイルは、自身のコンピュータ(ローカルハードディスク)に保存してください。

プロジェクト共有は、サーバネットワークやインターネット上での作業の煩わしさを最小限にするために設計されています。
ワーキングファイルをサーバ上に保存してしまうと、プロジェクト共有のメリットを最大限に傍受できません。

ワーキングファイルをローカルハードディスクに保存すれば、サーバから切断していても、オフラインモードで作業を続けられます。

ワーキングファイルのバックアップ設定は、通常のVectorworksファイルのバックアップ設定と同じです。ファイルのバックアップコピーは、指定された時間が経過した後(10分ごと、15分ごとなど)、または指定された操作回数が経過した後に作成されます。

ワーキングファイルのバックアップコピーは、ワーキングファイル自体が配置されているコンピュータと同じコンピュータに作成して保存してください。バックアップコピーはサーバやクラウド上に作成したり、配置したりしないでください。

クラウド経由で作業する場合

クラウド上のストレージに保存されたプロジェクトファイルで作業するときでも、ワーキングファイルはローカルに保存してください。

ワーキングファイルはインターネットを介してプロジェクトファイルと通信するため、反映更新の速度はインターネット接続の帯域幅に依存します。

VPN経由で作業する場合

ワーキングファイがプロジェクトファイルにアクセスする操作(反映や更新)をすると、ファイルのパフォーマンスが低下することに注意してください(「プロジェクトファイルの場所」参照)。
このため、ワーキングファイルの反映と更新は、サーバに直接接続して作業するときよりも控えめに行うことを強くおすすめします。

VPN接続を介してサーバにアクセスするチームメンバーとリモートで作業を行う場合は、反映と更新のルールを設定してください。