Vectorworks 2025で搭載されたShowcaseを使うことで、外部プログラムを使用しなくても、Vectorworks内で照明デザインをシームレスに展開してプリビジュアライゼーションを行えるようになりました。
今回はサンプルファイルを使って、Showcaseの機能を紐解いていきたいと思います。
目次
37-1. サンプルファイルをダウンロード
以下のリンクをクリックし、DMXデータが保存されているVectorworksデータをダウンロードします。
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37-2. Showcaseを開始
Vectorworksのモデル内で直接 DMX ストリームを再生し、プリビジュアライゼーションを行います。
1. ダウンロードしたデータを解凍し、Vectorworksでファイルを開きます。
2. 登録ビュー「02. Model Front View (Shaded)」に切り替えます。
3. 舞台照明>Showcase>Showcaseを開始を選択します。
4. 舞台照明>Showcase>DMXレコーディングを選択します。DMXレコーディングパレットが表示されます。
5. DMXレコーディングパレットのDMX:Tiny Feathersを選択します。
6. DMXレコーディングパレットの再生ボタンをクリックするとDMXファイルが再生されます。
7. 再生中、登録ビューを04、05、06に切り替えると、画角を調整しながら照明の動きを見ることができます。
登録ビューの他に、パン、拡大表示、フライオーバー、ウォークスルー、オンスクリーンビューコントロールなどのVectorworks表示ツールも使用できます。
8. 再生ボタンをもう一度クリックすると、一時停止します。(一時停止中、DMX信号の入力は継続されます)
37-3. Showcase設定
Showcaseのレンダリングはシェイドがベースとなっており、通常のレンダリングには影響しないShowcase独自の設定があります。
37-3-1. レンダリング設定
1. 舞台照明>Spotlight各種設定>Showcase設定を選択します。
2. レンダリング設定から、各オプションを設定します。
影を有効にする
このオプションを有効にすると、影が表示されます。品質を設定することも可能です。
品質を低くするほどレンダリングは速くなります。
環境光の明るさ
全体の明るさを調整します。
背景テクスチャ
Showcaseで使用する背景テクスチャを選択します。野外ステージの場合は、背景を暗い色に設定しておくと、ビームがよりはっきりと表現されます。
霧の中の光
このオプションを有効にすると、ビーム表現ができます。密度を調整することも可能です。
1以下で調整することもできます。
37-3-2. 影を調整する
レンダリング設定の影を有効にするだけでは、思った結果にならない場合があります。その場合は、影をつけるだけでなく、影を受けるものも確認する必要があります。
テクスチャ
使用しているテクスチャの編集画面から、影を落とす、影を受けるのオプションを有効にすることができます。
影を落とす:このテクスチャが割り当てられた図形の影が他の図形に落ちます
影を受ける:このテクスチャが割り当てられた図形に他の図形の影が落ちます
ステージのシンボルにテクスチャを割り当てます。
1. ステージのシンボルを右クリックで強制選択します。
2. シンボルをダブルクリックして、3Dを選択し、編集をクリックします。
3. テクスチャツールを選択し、テクスチャ「Black Marley」を選択します。
4. ステージの天板をクリックし、テクスチャを割り当てます。
背景テクスチャ
背景オプションをクリックし、霧の中の光の影を受けるを有効にすると、ソリッド図形で効果がブロックされ、影が作成されます。
これらを組み合わせることで影の効果を微調整することができます。
37-3-3. カメラエフェクト
照明器具の出力をリアルにレンダリングするには、露出およびブルーミングパラメータを調整する必要があります。
被写界深度
特定の図形をフォーカスすることで、見せたい部分を目立たせることができます。
露出
明るさをコントロールします。
ブルーミング
有効にするとレンズの光を表現することができ、レンダリング表現がさらに向上します。
GOBOの模様や光線のカットをリアルに表現できます。
37-4. アニメーション
アニメーションを作成し、ムービーファイルとして取り出すと、プレゼンテーションにも役立ちます。
1. モデル>アニメーション>登録ビューからウォークスルーパスを作成を選択します。
2. アニメーションに利用する登録ビューを選択します。
3. アニメーションパスが作成されるので、オブジェクト情報パレットから、作成時間を設定します。
4. カメラビューをアクティブにするをクリックします。
5. 再生をクリックするとVectorworks上でアニメーションを確認できます。
6. ムービーファイルとして取り出します。ムービーを作成をクリックします。
7. レンダリング「Showcase」を選択し、詳細設定をクリックします。
8. 必要に応じてタイムラインを調整します。
9. 作成をクリックし、ファイル名と保存場所を指定し、作成します。
カメラワークに合わせて登録ビューを作成しておくと、実際の見え方を確認することができます。
Showcaseに関する動画はこちらをご覧ください。
各種コンソールと接続するために必要なパッチ機能については、こちらをご覧ください。
魅力的なステージデザインの作成にぜひShowcaseの機能をご利用ください!
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