Vectorworksには、画面の表示状態を保存しておく便利な登録ビューという機能があります。
今回は、この登録ビューの利用方法についてご紹介します。
47-1. 登録ビューとは
登録ビューの機能を一言で表すと、「現在の画面の表示状態を保存する」機能です。
作業をしやすいようにデザインレイヤやクラスの表示/非表示を切り替えたり、見映えの良いパース図を作成するために画角を細かく調整したり、いろいろなシーンで画面の表示状態を変更することがあると思います。
複数の作業を行ったり来たり繰り返すことの多い作図において、画面の表示状態を1つ1つ手動で変更したり戻したりするのは面倒ですよね。
そういった手間を省略し、作業効率を上げてくれる機能が登録ビューです。
バージョン2023以前は、登録画面という名称で同一の機能を搭載しています。
47-2. 登録ビューの作成
まずは登録ビューを作成してみましょう。登録ビューの作成方法はとても簡単です。
1. 図面を保存しておきたい表示状態に設定します。
例)以下のような建築図面で、1階の建具を編集するために「1F-FL」レイヤをアクティブにして、「1F-FL」と「通り芯」以外のレイヤを非表示に変更。
2. 表示バーの登録ビューをクリックし、新規登録ビューを選択します。
3. ビューを登録ダイアログにて登録ビューの名前を設定し、その他に保存したい項目を有効にしてOKをクリックします。
デフォルトではすべての項目が有効になっており、現在の表示状態をすべて保存します。
後ほど編集も可能ですので、まずはそのままOKを選び作成してみましょう。
ビューを登録
3D表示や投影の方法、用紙の原点設定、平面回転角、クリップキューブの位置などのビューの設定が保存されます。(平面回転角とクリップキューブ位置はFundamentalsでは利用できません)
ズームとパンを登録
拡大/縮小およびパンの設定が保存されます。
用紙位置を登録
用紙と図形の位置関係が保存されます。
用紙範囲の変更や用紙移動ツールで用紙位置を変更した場合でも、登録時の用紙位置に戻すことができます。(シートレイヤの用紙位置は保存されません)
レンダリングモードとオプションを登録
レンダリングモードとオプションを保存します。
DMXを保存(バージョン2025のみ)
Vectorworks Spotlightにて、DMX再生中の場合、現在のDMXとフレームを保存します。
データの可視化状態を登録
データの可視化を使用している場合、その表示状態を保存します。(Fundamentalsでは利用できません)
オブジェクトの表示設定を保存(バージョン2025のみ)
オブジェクトごとの表示設定状態を保存します。(Fundamentalsでは利用できません)
この機能について詳しくはこちらをご参照ください。
レイヤの表示設定を登録
レイヤに関する以下の表示状態を保存します。
レイヤオプション
「アクティブのみ表示」など、レイヤオプションの設定を選択します。
アクティブレイヤ
登録ビュー実行時にアクティブになるレイヤを選択します。
レイヤ
登録ビューのデザインレイヤの表示設定を指定します。
クラスの表示設定を登録
クラスに関する以下の表示状態を保存します。
クラスオプション
「アクティブのみ表示」など、クラスオプションの設定を選択します。
アクティブクラス
登録ビュー実行時にアクティブになるクラスを選択します。
クラス
登録ビューのクラスの表示設定を指定します。
ビューの移動
登録ビューに切り替える際の、時間や切り替わり方を選択します。
Vectorworksの環境設定
環境設定のインタラクティブペインの設定を使用します。
この機能について詳しくはこちらをご参照ください。
カスタム
登録ビューへの移動をカスタム設定します。
なし
すぐさま登録したビューに切り替わります。
4. 表示バーの登録ビューをクリックすると、作成した登録ビューの名前が表示されます。
名前をクリックすることで、いつでも保存した表示状態のビューに切り替えることができます。
(下の動画では、同様の手順で「2F-FL編集」と「パース図」の登録ビューを追加で作成しています。)
47-3. 登録ビューの編集
作成した登録ビューの設定は、いつでも編集することができます。
47-3-1. 表示バーからの編集
1. 表示バーの登録ビューをクリックし、登録ビューの編集を選択します。
2. オーガナイザダイアログが開きますので、編集したい登録ビューを選択して編集をクリックします。
3. 登録ビューを編集ダイアログが開きます。任意の項目を編集したらOKですべてのダイアログを閉じます。
それぞれの設定項目は、登録ビュー作成時に表示されるビューを登録ダイアログと名称が少し異なりますが同じ内容です。
例えば、用紙位置を後から調整したため登録ビュー作成時の状態に戻したくない場合には、登録済みの用紙位置を維持のチェックを外したり、クラスの表示状態を変更したい場合は、クラスをクリックして表示/グレイ表示/非表示を変更したりと、好きなようにカスタマイズすることが可能です。
後から追加で作成したデザインレイヤやクラスは、すでに作成済みの登録ビューでは自動的に非表示になります。
追加したデザインレイヤやクラスを表示させたい場合は、登録ビューの編集で設定を表示に変更してください。
47-3-2. ナビゲーションパレットからの編集
ナビゲーションパレットを使用した場合、上記の表示バーからの編集以外に、登録ビューの再定義を行うことができます。(ナビゲーションパレットはFundamentals以外の製品で利用可能です)
1. ナビゲーションパレットにて、作成した登録ビューの名前を右クリックまたはクリックしてナビゲーションパレットのメニューから再定義を選択します。
2. 登録ビューの再定義ダイアログが表示されます。
元の登録ビューから変更したい項目にチェックを入れてOKをクリックします。
パース図の位置調整など、ちょっとした変更を行なった際に設定を上書きできるため、新規で作成し直す必要がなく便利です。
ぜひ登録ビューの機能を活用して、作業効率を高めましょう!
この機能を利用できる製品
![]() |
Vectorworks Fundamentals2D/3D汎用作図機能に、プレゼンボード作成機能や図面と連動できる表計算機能など、数多くの基本作図機能に加え、高品質レンダリング&3Dビジュアライズ機能を搭載したVectorworksシリーズの基本製品 |
![]() |
Vectorworks Architect建築設計や内装、ディスプレイデザインに対応した先進的なBIM・インテリア設計支援機能、拡張機能、さらには豊富な建築向けのデータライブラリを搭載した建築/内装業界向け製品 |
![]() |
Vectorworks Landmark地形モデルや多彩な植栽、灌水設備計画等に対応するランドスケープデザイン機能、さらには豊富な造園向けのデータライブラリを搭載した都市計画/造園業界向け製品 |
![]() |
Vectorworks Spotlightステージプランニングやライティング計画に対応した先進的な舞台照明計画支援機能、さらには各種メーカー製のトラスや照明機材、音響機器等の豊富なデータライブラリを搭載したエンタテインメント業界向け製品 |
![]() |
Vectorworks Design Suite専門分野別(建築設計/ディスプレイデザイン、ランドスケープデザイン、ステージデザイン&スポットライトプランニング)の設計支援機能、拡張機能、さらには豊富なデータライブラリを搭載した最上位の製品 |