Architect解説講座

第26回「スラブの3D加工」

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この記事は【2022年7月12日】に公開されたもので、2年以上経過しています。
記事の内容が古くなっていたり、新機能の追加・機能の改善が図られていることがあります。

以前スラブの編集で、2D図形との切り貼りはご紹介したのですが、3D形状の編集はまだご紹介できていなかったので、今回はスラブの3Dモディファイアを取り上げます。

スラブは2D図形との編集だけでなく、3Dモデルで加工することができます。しかもスラブの属性は維持したままです。
ここでは、標準リソースに入っている「屋上スラブ アスファルト防水」を例に解説します。

26-1. 水勾配と排水溝の作成

水勾配部分の作成

多角形ツールでアクティブな基準面を「オート」にし、スラブ側面に沿って水勾配をつけた多角形を作成します。

プッシュ/プルツールで多角形を柱状体にします。
多角形のプッシュ/プルモードを利用する場合、プッシュ/プル合成モードをオフにしてください。スラブ属性が失われます。

排水溝部分の作成

水勾配の柱状体に合わせて、四角形ツールでスラブ側面に排水溝の断面形状を作成します。

プッシュ/プルツールで四角形を柱状体にします。
四角形のプッシュ/プルモードを利用する場合、プッシュ/プル合成モードをオフにしてください。スラブ属性が失われます。

3Dオブジェクトでスラブを削り取る

水勾配部分と排水溝部分の2つの柱状体を選択します。

モデル>噛み合わせるを実行します。またはオブジェクトの上で右クリックし、噛み合わせるを選択します。
1つの合成図形になります。

作成された合成図形とスラブを選択し、建築>3Dオブジェクトでスラブを削り取るを実行します。
または、オブジェクトの上で右クリックし、3Dオブジェクトでスラブを削り取るを選択します。

水勾配部分と排水溝部分が削り取られ、RCの躯体部分が現れます。

26-2. 防水層の作成

ダブルライン多角形ツールの設定ダイアログで、防水層の厚みを設定し、面を作るにしておきます。

スラブの側面を基準として、水勾配、排水溝、および立ち上がり部分を一連のダブルライン多角形として作成します。

プッシュ/プルツールで柱状体にします。

防水層の柱状体とスラブを選択し、建築>3Dオブジェクトとスラブを噛み合わせるを実行します。
または、オブジェクトの上で右クリックし、3Dオブジェクトとスラブを噛み合わせるを選択します。

3Dオブジェクトとスラブを噛み合わせるダイアログで「アスファルト防水」を選択し、OKをクリックします。

防水層の構成要素が現れます。

26-3. パラペット部分の作成

四角形ツールでパラペット部分の断面形状を作成します。
パラペット底部にある防水層を隠すような大きさにしてください。

プッシュ/プルツールで四角形を柱状体にします。
四角形のプッシュ/プルモードを利用する場合、プッシュ/プル合成モードをオフにしてください。

パラペットの柱状体とスラブを選択し、建築>3Dオブジェクトとスラブを噛み合わせるを実行します。
または、オブジェクトの上で右クリックし、3Dオブジェクトとスラブを噛み合わせるを選択します。

3Dオブジェクトとスラブを噛み合わせるダイアログで「コンクリート」を選択し、OKをクリックします。

躯体部分の構成要素が柱状体の分だけ高くなります。

26-4. モディファイアの編集

セレクションツールでスラブをダブルクリックし、スラブの編集ダイアログでモディファイアを選択して、OKをクリックします。

モディファイアの編集画面にこれまで作成した3つのソリッドオブジェクトがあります。

パラペット部分の柱状体をダブルクリックします。断面の編集画面に入ります。

多角形ツールでパラペットのアゴ部分を作図します。
ここでは、パラペット上部に水勾配をつけるようにしています。

既存の断面とアゴ部分の断面の2つを選択し、加工>貼り合わせを実行します。
または、図形の上で右クリックし、貼り合わせを実行します。

画面右上の柱状体を出るをクリックします。
さらに、モディファイアを出るをクリックします。

パラペットのアゴが追加されたスラブが作成されます。

パラペット断面でさらに加工して、水切りを表現することも可能です。

  排水溝の水勾配

排水溝の部分にもテーパーツールで水勾配をつけることも可能ですが、斜めになるため、防水層の噛み合わせを実行するときに必要な、ソリッド図形の作成に注意が必要です。

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