Vectorworks 2020から、さらに利用の幅が広がったGIS機能についてご紹介します。地図や航空写真を取り込んで、図面やプレゼンテーション資料を作成されている方は是非ご覧ください。
地理情報システム(GIS)データをBIMやその他の地形設計ワークフローに統合することで、洞察力のある設計の最前線に立つことができます。 Esri社との新しいパートナーシップにより、これが実現します。
Vectorworksは、地理空間データ、画像、および測量ポイントを取り込むための様々なファイル形式をサポートしていますが、取り込むプロセスによっては、手元のファイルに制限があります。
Vectorworks 2020のArchitect、Landmark、Designerのユーザは、世界でもっともパワフルな地図および空間分析ソフトウェアであるESRI社のArcGIS Onlineを使用して、オンライン地図と航空写真にアクセスできるようになりました。
新しい統合の概要
ArcGISには、2つの新しいツール、ジオロケーションとジオイメージからアクセスできます。この新しいVectorworksの機能は、Esri社のアプリケーションプログラミングインターフェイス(API)を利用して、Graebert社のAres MapおよびArcGIS for AutoCADのような他のプラグインと同様に動作します。
Vectorworksファイルの適切な地理座標と投影法を使用して、ストリートマップ画像や航空写真をすぐにデザインレイヤに配置できます。ユーザの有料ArcGIS Onlineサービスプランによっては、他の地図画像も取り込めます。ほとんどの地図出力では、プロジェクト地域外の道路地図や航空写真が描写されるため、トリミングが重要な機能となります。
ジオロケーションツールでは、プロジェクトの住所を入力するだけでその地域を特定し、ユーザの設定に応じて最適な投影法が提案されます。これにより、新しい原点が地図の参照位置として認識され、時間を節約できるだけでなく、パフォーマンスを維持するためにジオロケーションされたアイテムを再配置するという課題も軽減されます – アイテムがプロジェクトの原点(0,0)から離れすぎている場合、通常この課題に直面します。
Vectorworksとの比較
ArcGIS Onlineの製品やサービスを利用して動作するプラグイン製品はいくつか存在しますが、Vectorworks Landmark、Architect、および Designerを利用することで、下記の優位性を得ることができます。
- 一般的なCADおよびファイルの作成と修正に特化したGraebert社のAres製品ラインと比較して、Vectorworksははるかに高度なBIMおよび地形ソリューションを提供します。
- ArcGIS for AutoCADプラグインを使用すると、一般のCADユーザはEsri製品やサービスにアクセスできますが、AutoCADはBIMオーサリングアプリケーションではないため、AECやランドスケープ市場向けの業界固有のツールが不足しています。 Vectorworksには、GISファイルの統合に加え、必要な専用BIMツールがあります。
- ArcGIS for AutoCADとCivil3Dの組み合わせは、地形計画プロジェクトに取り組んでいる土木技術者に、GIS環境へのアクセスを追加したツールのパワーパックを提供します。 しかし、Civil3Dを使用しているユーザがランドスケープに特化したツール、特にランドスケープアーキテクチャ用のBIMを使用したい場合は、Vectorworks Landmarkまたは Designerを使用した方がニーズに合っています。
- Bentley社のBentley Mapは、MicrostationとGISの連動を提供するCivil3Dと同様に、土木や構造設計の専門家向けにさまざまなツールを提供していますが、ランドスケープアーキテクチャ用のBIMが不足しています。
- RevitのGIS統合により、建築設計者向けのGIS環境が追加されます。 しかし、これにはVectorworks Landmark および Designerが提供できるBIM for LandscapeとGISの連動といった面で力不足です。
結論
Esri社とのパートナーシップは実現する必要がありました。Esri社は、Vectorworks Landmarkのグラフィカルで豊富なBIMツールと、Esri製品およびサービスを組み合わせることで、ローカルサイトの設計作業を強化できる顧客を特定することができました。
この特定のGIS統合とパートナーシップは、Vectorworksの建築都市設計およびプランニング市場にメリットをもたらすだけでなく、当社のAEC、ランドスケープアーキテクチャ、ランドスケープデザインのユーザにも最新機能の恩恵をもたらします。 GIS画像、データ、およびジオメトリへのアクセスが格段に迅速になり、Esri社のマップサービスの統合によって、このマップデータが即座に利用可能になりました。