よくある質問解説講座

新着記事第48回「Renderworksレンダリング」

Renderworksレンダリングを使うと、シェイドレンダリングに比べ、光と影の効果をより精確に表現し、実際の雰囲気を具体的にイメージしていただくことができます。

今回は、Renderworksレンダリングについて紹介します。

48-1. Renderworksレンダリングの効果

Renderworksレンダリングは、シェイドレンダリングでは表現できない、間接光とソフトシャドウを表現することが可能です。それにより、フォトリアリスティックなパースを作成します。

48-1-1. 間接光

通常、光はものに当たり、周りに影響を与えます。そのような光の反射を表現するのが、間接光の設定となります。間接光はレンダリングの設定から行うことが可能です。(設定方法は後述します)

48-1-2. ソフトシャドウ

影は、近くははっきり見え、遠ざかるにつれぼやけて見えます。そのような自然な表現をするときに用いる設定が、ソフトシャドウです。

ソフトシャドウは、光源図形から設定を行います。

48-2. Renderworksスタイルの作成

レンダリングの設定はスタイルとして保存して繰り返し利用することが可能です。以下はスタイル設定の一例です。

1. リソースマネージャから新規リソースをクリックします。

2. Renderworksスタイルを選択し、作成をクリックします。

  1.  3.  タイプ:リアリスティックを選択します。
  1.  4. オプションタブから、アンチエイリアステクスチャカラーを有効にします。

  1.  5. 品質タブから、品質レベル:カスタムを選択し、アンチエイリアス:高品位、その他は低品位にします。(品質の各項目については後述します)

6. ライティングタブから、背景放射光を適用を有効にし、間接光:標準,バウンス4回を選択します。

7. 光源を多く配置している場合は、環境光の設定から明るさを低くしておきます。

8. アンビエントオクルージョンを有効にします。

  アンビエントオクルージョン

アンビエントオクルージョンは、入隅の影を表現できる機能です。エッジを自然に強調させたい際に使用します。

 

9. 背景テクスチャタブから、背景テクスチャを適用を有効にし、背景テクスチャを選択します。

10. OKをクリックします。

11. リソースマネージャにRenderworksスタイルが追加されます。

48-3. Renderworksスタイルの適用

Renderworksレンダリングは、多様な効果を表現できる分、処理に時間を要する場合があります。ビューポートにレンダリングを適用することで、バックグラウンドでレンダリングを行うため、効率よく作業を進められます。

1. アングルを設定し、ビュービューポートを作成を選択します。

2. レンダリング(バックグランド)からRenderworksスタイルを選択します。

3. OKをクリックします。

4. 作成されたビューポートを選択し、オブジェクト情報パレットから更新をクリックします。

バックグラウンドでレンダリングが行われるため、レイアウトを整えるなどほかの作業を継続できます。

 

  高品質な結果を得るためには、シートレイヤのラスタレンダリングDPIを初期設定より高めにしておく必要があります。

48-4. Renderworksスタイルの編集

必要に応じて、各オプションの品質を上げ、パースの仕上がりを向上させます。

品質を上げるとクオリティの高い結果が得られますが、その分処理に時間がかかります。
不要な部分は低品位に設定し、効率よくレンダリングを進めましょう。

 

1. リソースマネージャのRenderworksスタイルを右クリックします。

2. 編集を選択します。

 

曲線形状

曲線がある形状(NURBS曲面など)の面処理の品質レベルを選択します。曲線がある図形が多い場合は品質を上げるなど調整を行います。

 

アンチエイリアス

図形やテクスチャの輪郭をアンチエイリアス(スムージング)する際の品質レベルを選択します。

 

間接光

間接光効果の品質レベルを選択します。間接照明など反射した光がぶつかる物体が近くにある場合は品質を上げるなど調整を行います。

 

ソフトシャドウ

ソフトシャドウが有効な光源の影の品質レベルを設定します。室内など、光源が多く影がほとんど見えない場合は品質を下げるなど調整を行います。

 

かすれ度合い

かすれの反射属性や透明属性があるテクスチャの品質レベルを選択します。かすれの設定をしているテクスチャを使用している場合は、オプションを有効にしておきます。

 

背景テクスチャからの環境光

環境背景光源のサンプリング品質のレベルを選択します。背景放射光の設定で間接光が有効な場合、このオプションは効果がありませんので、品質を下げるなど調整を行います。

 

ディスプレイスメントマッピング

ディスプレイスメントマッピングの品質を選択します。バンプ属性のテクスチャを使用していない場合は、品質を下げるなど調整を行います。

 

必要な部分だけ品質を上げることにより、すべて高品位の設定と比べても品質を下げずに処理時間を短くできます。

Renderworksスタイルを活用して、高クオリティなパースを効率よく作成しましょう!