マリオネット解説講座

第16回「クラス・レイヤ作成の自動化」

ArchitectLandmarkSpotlightDesigner2021

マリオネットでは図形だけでなく、クラスやレイヤなど作業環境をコントロールすることができます。クラス・レイヤを操作するノードの簡単な使い方を解説します。

Vectorworksで意外と時間をとられるのが作業環境の構築です。たくさんのクラス・レイヤをドキュメント毎にオーガナイザでチクチク作成するのは手間がかかります。テンプレート機能を使用すれば任意のクラス・レイヤ設定がされた状態で作業を始めることができますが、例えば作業の途中にまとまったクラス・レイヤを追加するといった場合に、効率的よく作成することができれば作業時間を短縮できます。

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16-1. クラスを作成するノード

Marionette Default Libraray > クラス > 設定系関数-クラス

「Name Class」ノードは入力された名前でクラスを作成します。名前が重複しないように注意する必要があります。

シンプルなネットワーク

1. 「String」ノードに次の名前を設定します:テストクラス

2. 「Name Class」ノードに「String」の結果を入力します。

3. プログラムを実行します。

4. クラス「テストクラス」が作成されています。

16-2. レイヤを作成するノード

Marionette Default Libraray > レイヤ > 基本

「Layer」ノードは入力された名前でレイヤを作成します。既に存在するレイヤの名前が入力された場合は、新しく作成することなくレイヤのハンドルだけを出力します。

シンプルなネットワーク

1. 「String」ノードに次の名前を設定します:テストレイヤ

2. 「Layer」ノードに「String」の結果を入力します。

3. プログラムを実行します。

4. レイヤ「テストレイヤ」が作成されています。

 

16-3. クラスをワークシートから自動作成

クラスの名前と、階層構造の情報をワークシートから取得して、クラスを自動的に作成するスクリプトを作成します。次の書式でクラスの情報を記載したワークシートをあらかじめ用意します。

ワークシート名:クラス一覧

16-3-1. ワークシートから情報を取得する

 

Marionette Default Libraray > ワークシート-データ

ワークシートから値を取得するには「Get Cell String」ノードを使用します。セルの行番号と列番号を指定して、セルに入力されている値を取得します。

最初に「Name」ノードにワークシート名「クラス一覧」を設定して、ハンドルを取得しておきましょう。

今回は、1行目から10行目までの各階層の名前のデータを取得します。

まずは行番号を作成します。「Series」ノードを使用して[1,2,3,…,10]の数列を作成します。

列番号も同様に「Series」ノードを使用して[1,2,3]の数列を作成します。

この数列をそのまま「Get Cell String」に入力といきたいところですが、今回の場合は上手くいきません。次の2点の性質があるためです。

    • 「「Get Cell String」ノードはRowのリストとColのリストの先頭から順に1つずつ組み合わせてセル番地とする」
    • 「ノードに入力された長さの異なる数列(リスト)は、長いほうに合うように補填される」

Rowに数列 [1,2,3,…,10] を、Colに数列[1,2,3]を入力した場合、 [1,2,3] の数列が補填され [1,2,3,3,3,3,3,3] として扱われ、セルの番地は次のようになります。

(row,col) = (1,1),(2,2),(3,3),(4,3),(5,3),(6,3),(7,3),(8,3),(9,3),(10,3)

今回のように、テーブル状のデータ隙間なく取得する場合「Mix2」ノードを使用して番地を作成します。

Marionette Default Libraray > データフロー

「Mix2」は2つのリストの組み合わせ方法を選択してデータ整形するノードです。list1に行番号のリストを、list2に列番号のリストを入力します。

「Mix2」ノードの”ListMatching”パラメータを「Cross Reference」に設定します。

「Cross Reference」ではすべての組み合わせのデータを作成します。結果は次のようになります。

(row,col) = (1,1),(1,2),(1,3),
       (2,1),(2,2),(2,3),
       (3,1),(3,2),(3,3),
       (4,1),(4,2),(4,3),
       (5,1),(5,2),(5,3),
       (6,1),(6,2),(6,3),
       (7,1),(7,2),(7,3),
       (8,1),(8,2),(8,3),
       (9,1),(9,2),(9,3),
       (10,1),(10,2),(10,3)

「Mix2」を通したあとに「Get Cell String」に入力して結果を確認しましょう。

問題なく取得できているようです。

このままだと3つの階層分のデータが1次元のリストに収まっているため扱いにくいです。「Cunk List」ノードを使用して行ごとのデータのかたまりに整形します。

見やすくなりました。

16-3-2. クラスの名前を作成する

Vectorowrksのクラスではクラス名の階層ごとの名前をハイフン “-” で繋ぐことで階層構造を表現します。

    • 例:「モデル-壁-断熱材」

ワークシートから取得したデータから上記のようなクラス名を作成していきます。

まずはデータの整理をします。「List Explode」ノードで1行ごとのデータに分解します。このノードは9個までのデータしか扱うことができないので、もうひとつ「List Explode」をつないで10個目のデータを取得します。

データによっては2階層までのものがあり、3階層目のデータが空の場合があります。フィルターノードを通過させて空のデータを削除しておきます。

「Same String」ノードに空白文字を設定して「文字列が空のとき」の論理式を作成します。欲しいデータは「文字列が空でないとき」なので、フィルターノードのFalse側の結果(listFitems)を受け取ります。

Marionette Default Libraray > 文字列関数

「Str」ノードは文字列のリストを連結するノードです。このノードはセパレータの文字を指定することができるので、簡単に階層の名前の間をハイフンで繋ぐことができます。階層の名前と「String」ノードでハイフン”-“を入力して結果を確認します。

クラスの名前ができました。

16-3-3. クラスを作成する

クラスの名前を「Name Class」ノードに入力します。

力技になりますがこれをすべてのデータに対して実行します。データの整理〜クラスの作成までの処理をラッピングして複製しましょう。

プログラムが完成したら実行して結果を確認しましょう。ワークシートに記述した通りにクラスが作成されました。

16-4. レイヤをワークシートから自動作成

同様の仕組みを使って、レイヤのの名前と高さの情報をワークシートから取得して、レイヤを自動的に作成するスクリプトを作成します。次のように名前と高さのシンプルな4行のデータが記述されたワークシートを用意します。

ワークシート名:レイヤ一覧

16-4-1. データを分けて取得する

ここでは「Get Cell String」ノードを2つ使用して「名前」と「高さ」のデータに分けて取得します。それぞれ行番号に[1,2,3,4]の数列と列番号を入力します。

レイヤ名と高さのデータを取得できました。

16-4-2. レイヤを作成する

1列目のデータを格納した「Get Cell String」の結果を「Layer」ノードに入力します。

入力できたら実行して確認します。ワークシートに記述したレイヤが作成されました。この時点では高さの情報は反映されていません。

プログラムでは上から順に処理するので、ワークシートの表示順とレイヤの重なり順が合いません。「Revese」ノードでリストの順番を逆転します。

先ほど作成したレイヤを削除して、再度実行します。ワークシートの記述した順序でレイヤが作成されました。

16-4-3. 高さを設定する

2列目のデータを格納した「Get Cell String」の結果を、まずは「Revese」ノードでリストの順番を逆転します。

このあと、レイヤの高さを設定するノードに入力したいのですが、標準搭載のノードには「任意のレイヤの高さを設定するノード」がないので作成します。

標準搭載されている「Set Z Values」ノードは、アクティブなレイヤの高さを設定するノードです。”アクティブなレイヤ” ではなく “任意のレイヤ” となるようにコードを書いてみましょう。

「Set Z Values」ノードの編集画面を開きます。

まずはおまじないです。「READONLYREFFILE」の記述が含まれる1行目削除します。この作業によって編集内容の保存が可能になります。

自作のノードであることが分かりやすいようにノードの名前を変更しておきましょう。

7行目

this = Marionette.Node( "Set Z Values" )
↓
this = Marionette.Node( "Set Layer Elevation" )

ノード内で使用している「SetZVals」関数を「SetLayerElevation」関数に置き換えます。「SetLayerElevation」関数ではレイヤのハンドルが必要になりますので、ポート増設して対応します。これを実現するため次のようにコードを修正します。

#Input Portsの下に追加

inobj = Marionette.PortIn( vs.Handle(0), 'inLayer' )
#inputsの下に追加

inobj = self.Params.inobj.value
#scriptの下を変更

vs.SetZVals(zVal, deltaZVal)

↓

vs.SetLayerElevation( inobj, zVal, deltaZVal )

すべて修正するとに次のようなコードになります。

修正できたら「OK」ボタンを選択して閉じます。「Set Layer Elevation」ノードができました。

「inLayer」ポートにレイヤのハンドルを、「nZVal」に高さのデータを入力します。

プログラムを実行してオーガナイザダイアログで結果を確認します。ワークシートの記述通りに高さが設定されました。

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