マリオネットを使用して、ロールスクリーンのパラメトリックオブジェクトを作成します。
今回は幅や長さをパラメトリックに操作できるロールスクリーンのオブジェクトを柱状体を組み合わせて作っていきます。
47-1. 仕様を決める
ロールスクリーンの完成図を想像しながら、ロールスクリーンを構成するパーツに分解して、作図する図形を整理します。この時、どこの寸法を可変化(パラメータ化)するのかも考えます。
カバー
上部のカバーのパーツです。直方体で作図します。この直方体の長さをロールスクリーン全体の「幅」として可変化します。
ロールホルダーx2
ロール部分のサイドに取り付けるパーツです。四角形と円弧を組み合わせて作図します。ロールの両端に取付るので2つ作図します。
スクリーンロール
スクリーンのロール部分を円柱で作図します。
ロールの軸
ロールの軸となるパーツを円柱で作図します。
スクリーン
スクリーン部分は直線で柱状体を作成して表現します。スクリーンの長さを可変化します。
ロールエンド
ロールエンド部分に円柱のパーツを作図します。
47-2. パーツの断面を作る
今回はロールスクリーンの断面を柱状体化する考え方で作図していきます。パーツごとに柱状体の底面となる2D図形を作図します。他のパーツの寸法や位置関係を考えながら作図座標を決めていきます。
カバー
上部のカバーの断面は四角形で作図します。今回はカバーの断面の左上を配置基準としますので、左上が(0,0)に合うようにCreate Rectangleノードで四角形を作成します。左上から右下方向に作図するので、四角形の高さ方向の寸法値は負の値で入力します。
ロールホルダー
カバーの断面の下にサイドホルダーの図形を作図します。四角形と円弧を貼り合わせて作成します。
カバーの厚みの値を利用して、四角形と円弧の基準位置となる座標を決定したあと、各部の寸法値を入れてCreate RectangleノードとCrate Arcノードで作図します。
四角形と円弧をPlanar Booleanノードを使用して貼り合わせます。Planar BooleanではOperationパラメータをAddに設定することで貼り合わせを実行できます。
ホルダーパーツは両サイドで2つ使用するので、Copyノードでで複製しておきます。
スクリーンロール
ロール部分の断面を円(360度の円弧)で作図します。ロールホルダーの円弧の中心と合うように座標を設定します。
ロールの軸
ロールの中心部分の軸のパーツも断面を円で作図します。中心座標はスクリーンロールと同じ値を設定します。
スクリーン
スクリーンは断面を直線で作図します。Create Lineノードに直線の始点と終点の座標を指定して作図します。ここでは25mmをデフォルト長さとして設定します。このあたりでネットワークが複雑になってきますので、passノードを使用して整理しながら進めましょう。
ロールエンド
ロールエンドの断面を円(360度の円弧)で作図します。スクリーンの直線の先にくっつくように座標を指定して作図します。
ここまでで、パーツの断面の作図が完了しました。ネットワークの全体像は次のようになります。
47-3. パーツごとに柱状体を作る
47-2.で作成した断面図形からExtrudeノードを使用して柱状体を作っていきます。一旦passノードでパーツの図形のハンドルを整理します。
カバー
カバーの長さ600mmとして、柱状体の下端の高さ上端の高さを計算します。今回は高さ0の位置を基準とするため、マイナスz方向に柱状体を伸ばすように高さを計算します。
Dimノードで600mmの長さの値を作った後、negativeノードで負の値に変換して入力します。
ロールホルダー
ホルダーは柱状体を2つ作図します。カバーの長さと部品の厚みから柱状体の高さを計算します。
-
- 部品の厚み:7mm
- 1つ目のホルダー:上端=0mm、下端=-7mm
- 2つ目のホルダー:上端=-(600mm-7mm)、下端=-600mm
ロールの軸
ロールの軸はカバーの長さとホルダーの厚みから柱状体の高さを計算します。
-
- ホルダーの厚み:7mm
- 柱状体の上端:-7mm
- 柱状体の下端:-(600-7)mm
スクリーンロール・スクリーン・ロールエンド
スクリーンロールとスクリーン、ロールエンドはカバー端からのオフセット値から柱状体の高さを計算します。
-
- オフセット値:15mm
- 柱状体の上端:-15mm
- 柱状体の下端:-(600-15)mm
プログラムを実行すると、マイナスz方向にロールスクリーンの形状のが生成されます。
ここまでのマリオネットネットワークの全体像は次のようになります。
47-4. 向きの調整
ロールスクリーンの幅方向をx方向に、ロールスクリーンの長さ方向をマイナスz方向となるなるように、図形の向きを調整します。
パーツごとに作成した柱状体をグループ化してまとめます。
パーツのグループに対してRotateノードを使用して、図形をまとめて回転します。(0,0,0)を基準にx=90°、z=-90°で回転します。
実行するとパーツのグループが回転して、意図した向きに調整されます。
47-5. オブジェクト化
最後にマリオネットオブジェクトに変換します。変換の前にロールスクリーンの幅と、スクリーンの長さの入力値をスライダーに変更しましょう。
スライダーの設定
-
- 幅のSlider:初期値600、最小値300、最大値2400
- 長さのSlider:初期値800、最小値25、最大値3000
スライダーに変更したら、ラップ化してオブジェクトノードに変換します。
マリオネットオブジェクトへの変換
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- マリオネットネットワークを選択 > コンテキストメニュー > マリオネットネットワークをラップする…
- ラッパーの名称(任意)に「RollScreen」を設定してラッパーノードを作成
- ラッパーノードを選択 > コンテキストメニュー > オブジェクトノードに変換…
幅と長さのパラメータを持つ、ロールスクリーンのオブジェクトが生成されます。
スライダーでパラメータを操作すると、ロールスクリーンのサイズがリアルタイムに変化します。
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