Vectorworksのリギングワークフローとして、これまでトラスの配置方法や吊り元の設定、ホイストの作成方法などをご紹介しました。
今回は、トラスを吊り具で上下に連結したり、接合部で積み重ねることができる連結ツールをご紹介します。
トラス同士を連結すると、トラスに接続されたホイストや荷重（照明器具やビデオスクリーンなど）も含めてリギングのシステムとなります。
このため、トラスの高さを変更するとともに移動し、ホイストのチェーンの長さは必要に応じて自動的に調整され、非常に便利です。
トラスの配置方法についてはこちら。
吊り元の設定についてはこちら。
ホイストの作成方法についてはこちら。
目次
26-1. 連結ツールの各モード
まずは、各モードで何ができるのかをご紹介します。
吊り具を挿入モード
クリックした点に、固定式吊り具ブライダルまたはホイストを配置して、リギングオブジェクトを連結します。
上積み連結/下積み連結モード
クリックした点に、トラス接合部を配置して、リギングオブジェクトを上または下に積み重ねるように連結します。
オフセット配置
オフセット配置のオンとオフを切り替えます。オフセット配置がオンの場合は、上のトラスと下のトラスの間の距離が指定できます。
リギングオブジェクトを吊り具で連結する場合は、指定したオフセット距離に合わせて、トラス位置が調整されます。
吊り具の設定
吊り具を挿入モードの吊り具の種類と、すべての挿入モードの連結シンボルを選択します。
26-2. 連結の操作
Vectorworks 2023では、リギングワークフローが改善され、従来よりもさらに操作が容易になっています。
ここでは、 2023バージョンの新機能も含め、固定式吊り具ブライダルの挿入方法と、トラス接合部にシンボルを使用オプションを使った下積み連結の操作方法をご紹介します。
吊り具を挿入モード
1.舞台照明＞リギング＞ブライダル設定を選択して、表示されたブライダル設定ダイアログでブライダルワイヤー長さを選択して、OKで閉じます。
項目の中で、ブライダルワイヤー長さが優先されます。
2. リギングツールセットパレットから連結ツールを選択し、吊り具を挿入モードを選択します。
3. 吊り具の設定をクリックし、連結オプションダイアログで固定式吊り具ブライダルにチェックを入れてOKで閉じます。
吊り具の設定をクリックせずに、次の手順4を行うと、吊り下げワイヤーの設定ダイアログが表示されます。ここでブライダル部品を選択して同様の操作ができます。また、トラス接合部のシンボルの指定も可能です。
4. 最初にベースとなるトラス（位置を動かさないトラス）をクリックで指定します。マウスを近づけてトラスが赤く強調表示される箇所でクリックし、同様に連結させたいトラスをクリックします。
下積み連結モード
1. ツールバーから下積み連結モードを選択し、オフセット配置を無効にして、吊り具の設定をクリックします。
2. 連結オプションダイアログでトラス接合部にシンボルを使用を選択します。
2023からは任意のシンボルを選択することが出来るようになりました。シンボルを選択したらOKで閉じます。
3. 最初にベースとなるトラス（位置を動かさないトラス）をクリックし、次に連結させたいトラスでクリックします。
26-3. 連結後のリギングの高さ変更
連結したトラスの高さをまとめて変更します。
1. 連結後、配置されているトラスの中からひとつ選択し、オブジェクト情報パレットのシステムの床面からの高さを変更をクリックします。
初期設定では、自動結合されたリギングのみが赤く強調表示されます。
2. 床面からの高さを設定ダイアログで、変更する対象を「システム全体」を選択すると、連結したトラスも含めた全体のシステムが赤く強調表示されます。移動したいを数値を入力し、参照高さを「絶対値」または「相対値」から選択してOKで閉じます。
絶対値：グローバル高さ（0）に対する値
相対値：現在の床面からの高さに対する値
3.システム全体が、指定した値で高さ変更できていることが確認できます。
Vectorworks 2023でより使いやすくなった連結ツールをぜひご利用ください。
この機能を利用できる製品
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