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知らずに取り入れているBIMの要素

この記事は【2021年11月16日】に公開されたもので、2年以上経過しています。
記事の内容が古くなっていたり、新機能の追加・機能の改善が図られていることがあります。

BIMは最小限でもワークフローに大きなメリットをもたらすことができます。 海外の事例も踏まえてBIMについての考え方をご紹介します。

知らずに取り入れているBIMの要素

建築家やデザイナーの多くは、慣れ親しんだ2D CADのワークフローに依存しています。

それは正しいことです。最も快適な方法でプロジェクトを仕上げることは悪いことではありません。

そういった使い方をしていたとしても、これらの2D CADワークフローにもBIM(Information Modeling)プロセスの要素が加わってきていることを認識することが重要です。驚くかもしれませんが、すでに知らず知らずのうちにBIMの要素を取り入れているかもしれません。

それは、BIMがスマートであり、ソフトウェア開発者がそれを認識しているからです。

例えば、壁やドア、窓などのシンプルなオブジェクトがあります。2D CADではなく、設計·BIMソフトウェアと呼ばれるVectorworksでは、これらのオブジェクトは、高さ、幅、材質などの情報を含むパラメトリックなものです。

「BIM」という認識はなくても、これらのパラメータをワークシートやドキュメントセットに反映させることができるのが、このソフトの特徴です。それがBIM、つまり情報を使ったモデリングなのです。

BIMのワークフローの一部をすでに行っている可能性が高いことを踏まえて、BIMをシンプルに行う方法を探ってみましょう!

BIMにはさまざまなレベルがあります

よくある誤解ですが、BIMとは、最高のROI、最短の工期、最大のコスト削減を実現するために、大企業が大規模プロジェクトで手がけていることをすべて行うことだと考えられています。例えば、大規模プロジェクトの概要では、中心で統合されたBIMモデルと、コンサルタントチーム全体で共有されたプロジェクトデータを必要としているかもしれません。

これは大規模なBIMプロジェクトに共通する目標ではありますが、だからといって小規模な企業がBIMを行うことが例外というわけではありません。むしろ、比較的小規模なプロジェクトでは、コンサルタントチームがBIMワークフローを使っていないことも多く、この場合は外部とのBIM連携を気にする必要がないためです。

社内のプロジェクトチームだけでBIMを行うこともできますし、自分のためだけにBIMを行うこともできます。

Sean Harrington Architectsはこの考えに精通しています。

Sean Harrington ArchitectsのShane Byrne氏は、「我々はBIMをプロジェクト情報の分析、シミュレーション、コミュニケーションを行うためのツールとして使用しています」と述べています。

彼はBIMモデルを「建築資産のあらゆる側面をデジタルで記述したもの」と表現しています。

タラトのホワイトストーン·ウェイの3Dモデル|提供:Courtesy of Sean Harrington Architects

このデジタル記述は、外部関係者との調整にとどまらず、さまざまな理由で役に立ちます。Byrne氏は、ある社会住宅プロジェクトに携わっていたとき、BIMを行うことで最もやりがいを感じた点は、シームレスな変更管理プロセスを実現できたことだと指摘しました。クライアントから変更の要求があった場合、建築家はすぐにBIMモデルを更新して、すべての図面やワークシートに変更を反映させることができました。

このBIMモデルがなかったら、何十枚ものドキュメントを手作業で変更しなければならなかったでしょう。

BIMを一度に実行する必要はありません

BIMを使い始めてすぐにBIMのエキスパートになれればいいのですが、ワークフローの習得にはそうはいきません。練習と時間が必要です。

しかし、それでいいのです。BIMを導入した企業は、どこからか始めなければならなかったのですから。

Flansburgh ArchitectsのBrian Hores氏は、「スイッチを入れただけで、いきなりBIMを導入したわけではありません。過去の経験を基にしています。新しいプロジェクトのたびに、BIMプロセスをさらに一歩進めることが私たちの目標です」と述べています。

Flansburgh Architectsは、下の写真のような素晴らしい教育施設を設計しています。

ラス・ベイルート小学校 |提供:Flansburgh Architects

ベルギーの Iglesias Leenders Bylois Architects の建築家である Meindert Leenders 氏は、BIMについて素晴らしい指摘をしています。

「BIMは目的を達成するための手段であって、決してそれ自体が目的ではありません」と彼は言います。

BIMは手段であって、目的ではありません。BIMのプロセスは、モデル、スケジュール、数量拾い、さらには図面のタイトルのような単純なものまで、調整された達成可能なゴールへのルートです。

このように、BIMはプロジェクトを成功させるための手段なのです。そして、外部を含まず内部でBIMを行うことで、プロジェクトを成功に導くことができれば、それに越したことはありません。

プロジェクト·ベルゲルハイデ|提供:Iglesias Leenders Bylois Architecten

「基本的にBIMは、伝えようとするストーリーをコントロールし、その本質を3Dで捉えることを可能にします」とLeenders 氏は付け加えました。

BIMを活用してみましょう

つまり、BIMは実現不可能な漠然とした理想ではない、ということです。BIMは、最小限でもワークフローに大きなメリットをもたらすことができるのです。

元記事:Planet Vectorworks