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【海外事例】ガーデンデザイナーの持つべきものは鋤ではない

この記事は【2018年12月27日】に公開されたもので、2年以上経過しています。
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Ann-Marie Powell GardensがいかにVectorworks Landmarkを使っているかの事例です。

Ann-Marie Powell Gardensにある私たちのオフィスに、クライアントや業者の方々が足を踏み入れた時、たくさんのモニターがあることに驚くだろうと思います。ガーデンデザインをITにフォーカスした専門職として考慮しない理由は理解できますが、同僚や私自身がほとんどの時間をVectorworksで作業することを否定する理由もまたありません。私たちのMacはいつも起動したままです。実際、正確性を確保するために、一覧表や計画、各種図面はすべてVectorworks上で作業し、設計情報を共有するときに取り出すだけです。

Ann-Marie Powell Gardensでは、デザインビルドを通じたクライアントの負担を楽にするための新しい方法を常に見つけ出そうとしています。最も重要な業務の一つとして、私たちのアイデアをクライアントに正確に届けるため、そしてもちろんクライアントの期待を管理するために、私たちのデザインを説明することがあります。Vectorworksを利用することで、いくつかの異なるソリューションを説明するだけでなく、高さと面積がどのように連携するのかを試したり見せたりすることができます。一日中ランドスケープの業務を行えば、平面図を読み、20度の斜面でどのように見えるかを想像しやすくなりますが、従事したことがなければとても難しいものです。

Vectorworksの好きな点の一つに、地形モデルの作成機能があります。この強力な機能によって高さ方向の計画地情報を得られれば、すぐにでもデザインを進め試行錯誤することができます。Ann-Marie Powell Gardensでは、私たちのデザインが実際に現実のものになり「建設可能」であることを確認するために、相当な時間を費やします。このプロセスの一部として、庭の計画に関するすべての構成部品の図面や集計表、仕様書を作成します。Vectorworksがなければ、この作業はとても時間のかかるものなってしまうでしょう。必要な図面をまとめられることは、建設におけるすべての異なる観点から相互参照する手助けとなり、費用的な問題を表面化する前に回避しやすくなります。

もう一つの言及すべきは、植栽ツールです。私たちは自社仕様の植栽ライブラリを構築し、現時点で1,000種類に届きつつあります。この植栽データベースは本当に素晴らしいツールで、庭のすべてのボーダー花壇の集計とともに、美しくかつ精確な植栽計画を可能にしてくれます。この機能によって、植栽の組み合わせを試行錯誤したり、高木や低木を移動することでどのような影響があるのかを確認しやすくなります。さらに、プロジェクトのあらゆる段階で植栽コストを把握することができるので、私たちのエンドユーザであるクライアントに付加価値をもたらします。

Vectorworksのようなコンピュータで仕事をすることに対する最大の誤解の一つは、制約が生ずるのではないかということです。この素晴らしいソフトの基礎だけでも学ぶことで、これが障害ではなく、道具箱のすべての道具を使ってデザインするような素晴らしい方法になることでしょう。空間と空隙から、光と影、制約と豪華さ、眺望と隠れた驚きまで。

Vectorworksで何かを作り上げるとき、世界を創造しているように感じます。私にとってそれは、大人のMinecraftとも言うべきすべての興奮と機会を持ち合わせています。ソフトウェアの中では、素晴らしい建物と湖、散歩道でランドスケープを構築することができます。小さな都市型庭園を現実のものにすることができ、想像上の郊外型庭園であれば、見渡す限りの芝生やパーゴラ、シーティングエリアや気怠い午後を過ごすためのハンモックで作成することができます。

同僚のVectorworks専門家の意見を聞いた上で、私は最近ロンドンで開催されたVectorworksの年次ミーティングに参加することにワクワクしていました。そして、事務所にイベントのハイライトを持ち帰ることができました。Vectorworks UKのセールスディレクターでカスタマーサクセスディレクターでもあるAdrian SlatterとTamsin Slatterは、異なるデザイン方針の多様な興味深い事務所のスピーカーによる、魅力的なプログラムを組み立てていました。できる限りベストな方法でクライアントの需要を満たすワークフローを、Vectorworksでどのように行なっているかという別々の経験を共有する様子に、私は強く心をとらえられました。米国Vectorworks社の出席者からは、Vectorworks 2019に搭載されるいくつかの新機能も見ることができました。2019の新機能の中でお気に入りなのは、クラスとレイヤの検索機能とクリップキューブの改良、ハイブリッドオブジェクトの2Dコンポーネントです。クラスとレイヤの検索機能はニッチに聞こえるかもしれませんが、私は日々のワークフローでとても有益なものと感じています。

事務所に戻ると、私たちはすぐに新機能を実務に取り入れました。デザインした庭を業者や建築家、そしてもちろんクライアントに届けるときに、私自身が信頼し楽しめるソフトウェアを使えることは、私の日々を向上してくれます。

元記事:Planet Vectorworks