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新着記事2025年以降のAEC業界の未来を形づくるトレンドを探る

2025年以降、BIM(Building Information Modeling)、AI(人工知能)、AR(拡張現実)、VR(仮想現実)、サステナブルデザイン分析について、AEC業界の専門家はどう考えているのか、Vectorworks, Inc. の調査レポートをご紹介します。

新しい年は、新たな挑戦と機会がもたらされます。そこで、2025年を迎えるにあたりVectorworks, Inc. は何百人もの専門家にアンケート調査を行い、AEC業界の将来がどうなるかを探りました。

この記事では、BIM(Building Information Modeling)、AI(人工知能)、AR/VR(拡張現実/仮想現実)、そしてサステナブルデザイン分析ツールの最新動向について調査結果の概要をご紹介します。

1. 主な調査結果

BIM、AI、AR、VR、そしてサステナブルデザイン分析に関する主な調査結果は以下のとおりです。

    • AEC業界の専門家は、BIMを業界で現在最も普及しているデジタルテクノロジーと評価しました。
    • 実務者は、AI が BIMと同じ普及率に達するには、AI がより進化し、カスタマイズされる必要があると認識しています。
    • あらゆるデジタルトレンド(AR/VRを除く)の導入に対する最大の障壁は、トレーニング不足です。
    • 回答者たちは、今後10年間で、あらゆるデジタルトレンドが業界でさらに普及すると予測しています。

興味深いことに、回答者の62.5%が、今後5年間でこれらのトレンドの少なくとも1つを導入する予定があると答えています。このような新興テクノロジー探究への意欲を踏まえてさらに詳しく見てみましょう。

1-1. BIMはどこにも行かない

調査レポートによると、BIMは今後10年間で普及率と重要性が高まると予測されています。これは高い投資収益率(ROI:Return On Investment) とクライアントの関心が高いためと思われます。

まだBIMワークフローを導入していない場合は、「BIM入門ガイド(英語)」をご覧ください。このガイドはBIMの重要な側面を理解し、進化し続けるデジタルテクノロジーによる設計や建設の分野に踏み込み、成功するために必要なすべての情報を見つける手助けとなります。

1-2. AIの台頭が続く

近年、AI は急速に普及が進んでおり、ほとんどの専門家は、その重要性は今後も高まり続けると考えています。

AI ソリューションは導入の障壁が低いため、設計の専門家は多大な時間やその他のリソースを割くことなく、そのメリットを享受することができます。

Vectorworks Architect の AI Visualizer は、AI を手軽に試すことができます。この革新的な機能は、パワーとスピードを兼ね備えており、Vectorworks Cloud Services を使用することで、インストール不要で中断のないワークフローを実現しました。デザインのどの段階でも、Vectorworksモデルを使用してイラストレーションコンセプトを素早く発想したり、洗練されたイメージを作成できます。

  AI Visualizer の利用にはVectorworks サブスクリプションライセンスもしくは、Vectorworks Service Select 契約が必要です。
AI Visualizer の起動には、Vectorworks Cloud Services デスクトップアプリが起動しており、サインインしている必要があります。
参考(University 日本語動画):AI VisualizerAI Visualizer タイリングとアルファチャンネル

1-3. ARとVRの導入

AI とは異なり、AR/VR を導入した企業は、このテクノロジーを導入するには、そのメリットを最大限に引き出すために新しいソフトウエア、ハードウエア、そしてトレーニングが必要になると回答しています。

しかし、ARやVRの導入を検討しているのであれば、Vectorworks Nomad アプリやRoom Plan 機能の活用を検討してみてはいかがでしょうか。これらを使うと、部屋をスキャンして概念的な3Dモデルを作成したり、没入型のツアーを生成したり、クライアントにあなたのビジョンを示したりするなど、クライアントや共同作業者にユニークな体験を提供することができるようになります。

参考(University 日本語動画):間取り図/写真から3D

1-4. 予想されるサステナブルデザイン分析の増加

最後に、多くの人が気にかけているサステナビリティ(持続可能性)の問題があります。VectorworksエンボディッドCO2計算表(VECC:Vectorworks Embodied Carbon Calculator) のようなサステナブルデザイン分析テクノロジーは、世界がサステナビリティの目標を達成する一助となることを目的としています。

アメリカ建築家協会のAIA 2030 Commitment や王立英国建築家協会のRIBA 2030 Climate Challenge などの気候変動に対する戦略の目標年が近づくにつれ、サステナブルデザイン分析テクノロジーをまだ導入していない回答者のほぼ半数が、今後5年以内に導入する予定であると回答していることは、心強く感じます。これは本レポートで取り上げたトレンドの中で最も高い割合です。

2. これらのトレンドが重要な理由

これらのトレンドは、建築家、インテリアデザイナーなどにとって、未来を垣間見るための重要な手がかりとなります。BIMの継続的な優位性から、AI、AR/VR、サステナブルデザイン分析の台頭まで、AEC業界はクライアント、プロジェクト、そして地球の要求に応えるために急速に進化しています。

トレーニングやリソースなどのハードルが一部の企業にとっては導入を遅らせる可能性もありますが、これらのテクノロジーを積極的に導入しようとする圧倒的な意欲は、革新と進歩への強い決意を示しています。これらのトレンドを常に把握することで、あなた自身も会社も期待を超える最先端のソリューションを提供できるようになります。

Vectorworks, Inc. のCEOであるDr. Biplab Sarkar は次のように述べています。
「このレポートでご覧いただけるように、私たちは新しいテクノロジーの導入が譲れない段階に近づいています。これは複雑な課題です。新しいテクノロジーを導入することで日常業務に支障が出る場合、どのように新しいテクノロジーを取り入れれば良いのか? この課題は、Vectorworksの開発プロセスのあらゆる段階に影響を及ぼします。私たちは、今日のニーズを満たす効果的なデジタルテクノロジーソリューションを提供する一方で、これらのソリューションが日常業務にすんなりと溶け込めるように努めています」


レポート「AEC業界の今後の展望について(英語)」全文はこちらからダウンロードできます。


3. データの収集方法

このレポートを作成するために、Vectorworks, Inc. は、現役のAEC業界の専門家520人(従業員数50名以下の企業)に業界のテクノロジートレンドについてアンケート調査を行いました。

米国では、従業員数が50人未満の企業が業界の90%を占めているため、従業員数50名以下の企業で働く専門家から洞察を集めることで、Vectorworks, Inc. はテクノロジートレンドの一般的な認識をより正確に把握することができました。

調査回答者の最大グループは建築家でしたが、インテリアデザイナー、構造エンジニア、空間プランナー、M/E/P (機械設備/電気設備/衛生設備)エンジニアからも回答がありました。

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元記事:NEWS ROOM