Vectorworksプログラミングの唯一無二であり一番の特徴はVectorworksの図面上に図形を描くことができることです。今回はVectorScriptを使用して基本の2D図形描くプログラムを紹介します。(執筆 A&A川崎)
2D図形のプログラミングを通して、VectorScriptのプログラムの基本的な書き方に慣れていきましょう。実際に図形を描くことで、プログラムで何をやっているのか直感的に理解できます。
プログラムを使用して図形を描く場合でも結果としてはVecctorworks標準のツールにある図形と同じものが描かれますので、手動で描く場合と比較しながら(プログラムを)描いてみてください。
今回は初心者向けの内容となりますので、Vectorworksプログラミングにご興味をお持ちの方、この機会にぜひチャレンジしてください。
38-1. 直線
手動で描く場合、直線ツールを選択し、描き始めたいところでマウスをクリックし、線を引きたいところまでマウスを移動しクリックします。
プログラムで描く場合、手続きMoveTo、手続きLineToを使います。
描き始めたいところの座標x1,y1を、MoveToの引数に指定し、引きたいところまでの座標x2,y2をLineToの引数に指定します。
PROCEDURE sen; BEGIN MoveTo( 0.0, 0.0 ); LineTo( 50.0, 50.0 ); END; Run( sen );
この描き方はプロッタの描き方の名残で、MoveToはペンを上げて移動し、LineToはペンを下げて移動することを意味します。
38-2. 四角形
手動で描く場合、四角形ツールを選択し、描き始めたいところでマウスをクリックし、矩形を描きたいところまでマウスを移動しクリックします。
プログラムで描く場合、手続きRectを使います。
描き始めたいところの座標x1,y1と描き終わりたいところの座標x2,y2を引数に指定します。
PROCEDURE shikaku; BEGIN Rect( 0.0, 0.0, 50.0, 50.0 ); END; Run( shikaku );
38-3. 2D基準点
手動で描く場合、2D基準点ツールを選択し、描きたいところでマウスをクリックします。
プログラムで描く場合、手続きLocusを使います。
描きたい位置の座標x,yを引数に指定します。
PROCEDURE kijyunten2D; BEGIN Locus( 0.0, 0.0 ); END; Run( kijyunten2D );
38-4. 円
手動で描く場合、円ツールを選択し、円の中心でクリックし、半径分マウス移動しクリックします。(半径モードの場合)
プログラムで描く場合、手続きArcByCenterを使います。
描きたい位置の中心座標x,y、半径、円弧の開始角度0.0、円弧角360.0を引数に指定します。
PROCEDURE en; BEGIN ArcByCenter( 0.0, 0.0, 50.0, 0.0, 360.0 ); END; Run( en );
38-5. 円弧
手動で描く場合、円弧ツールを選択し、円弧の中心でクリックし、半径分マウス移動した円弧の開始点をクリックし、円弧の終点をクリックします。
プログラムで描く場合、手続きArcByCenterを使います。
描きたい位置の中心座標x,y、半径、円弧の開始角度、円弧角を引数に指定します。同じArcByCenterを使っても、開始角度、円弧角によって、円図形になったり円弧図形になったりします。
PROCEDURE enko; BEGIN ArcByCenter( 0.0, 0.0, 50.0, 45.0, 90.0 ); END; Run( enko );
38-6. 長円
手動で描く場合、長円ツールを選択し、描き始めたいところでマウスをクリックし、長円を描きたいところまでマウスを移動しクリックします。
プログラムで描く場合、手続きOvalを使います。
描き始めたいところの座標x1,y1と描き終わりたいところの座標x2,y2を引数に指定します。
PROCEDURE cyoen; BEGIN Oval( 0.0, 0.0, 100.0, 50.0 ); END; Run( cyoen );
38-7. 角丸四角形
手動で描く場合、角丸四角形ツールを選択し、描き始めたいところでマウスをクリックし、角丸四角形を描きたいところまでマウスを移動しクリックします。
プログラムで描く場合、手続きRRectを使います。
描き始めたいところの座標x1,y1と描き終わりたいところの座標x2,y2、角の丸のw,hを引数に指定します。
PROCEDURE kadomaru; BEGIN RRect( 0.0, 0.0, 100.0, 50.0, 5.0, 5.0 ); END; Run( kadomaru );
38-8. 多角形
手動で描く場合、多角形ツールを選択し、描き始めたいところでマウスをクリックし、頂点の数だけマウスを移動しクリックします。
プログラムで描く場合、手続きPolyを使います。
頂点の数だけx,yを引数に指定します。
PROCEDURE takakukeiopen; BEGIN OpenPoly; Poly( 0.0, 0.0, 100.0, 0.0, 100.0, 50.0, 0.0, 50.0 ); END; Run( takakukei );
また、閉じた多角形にしたい場合、始点の座標を最後に追加するのではなく、手続きClosePolyを使います。
PROCEDURE takakukeiclose; BEGIN ClosePoly; Poly( 0.0, 0.0, 100.0, 0.0, 100.0, 50.0, 0.0, 50.0 ); END; Run( takakukei );
38-9. 曲線
手動で描く場合、曲線ツールを選択し、描き始めたいところでマウスをクリックし、頂点の数だけマウスを移動しクリックします。
プログラムで描く場合、手続きBeginPoly、手続きEndPolyを使います。この2つの間でAdd2DVertexを使い頂点の数だけx,y、頂点のタイプを引数に指定します。
PROCEDURE kyokusen; BEGIN BeginPoly; Add2DVertex( 0.0, 0.0, 0, 0.0 ); Add2DVertex( 100.0, 0.0, 1, 0.0 ); Add2DVertex( 100.0, 50.0, 2, 0.0 ); Add2DVertex( 0.0, 50.0, 3, 0.0 ); EndPoly; END; Run( kyokusen );
38-10. 文字列
手動で描く場合、文字列ツールを選択し、描き始めたいところでマウスをクリックし、文字をキーボードで打ちます。
プログラムで描く場合、手続きTextOriginで文字列のx,y座標を指定し、手続きCreateTextを使って文字列を指定します。
PROCEDURE mojiretsu; BEGIN TextOrigin( 0.0, 0.0 ); CreateText( 'Hello, world!' ); END; Run( mojiretsu );
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