実践OpenBIM

1. リファレンスビューア

この記事は【2011年11月9日】に公開されたもので、2年以上経過しています。
記事の内容が古くなっていたり、新機能の追加・機能の改善が図られていることがあります。

1. Open BIM

1-1. はじめに

皆さん、インターネットブラウザーは何をお使いですか?。

「Internet Explorer」「Safari」「Firefox」「Google Chrome」等、沢山のブラウザソフトがありますが、どのブラウザを使ってもWebサイトは同じ様に見ることができます。

現在2D図面のデファクトフォーマットはDXFやDWGですが、皆さんがお使いの、手になじんだCADソフトが必ずしも、DXFやDWGに対応しているとは限りません。

また、対応していたとしても、そこにオブジェクトの情報は含まれません。

上記の様に情報の疎通を妨げない為に、建築3Dデータでは、「buildingSMART」という国際的な団体が「IFC」というオープンフォーマットを開発し、現在も進化し続けています。

IFCは中立的な団体が作るオープンフォーマットなので、それに対応したBIMアプリケーションであれば、同じ情報を共有することが可能です。 インターネットブラウザの様に、どのBIMアプリケーションでも同じ3Dモデルを共有でき、それぞれのアプリケーションの持つ特徴を最大限に生かすことが可能となります。

しかし、IFCは現在も発展途上であり、各アプリケーション開発企業でも、実装度合いが異なります。Open BIMの未来像が一人歩きしてしまい、BIMを用いることで何でも出来てしまう「魔法の箱」的なイメージが先行していますが、実際はデータ互換にはいくつかの手順が必要です。

ただし、3Dモデルの互換は、設計やシミュレーション労力の大幅な削減を可能としますし、IFCデータの再現性は、建築3Dモデルにおいては最も完成度が高いと言えます。

今回は、Open BIMの実践として、先に連載された「BIM実践講座」の建物モデルや、Vectorworksでモデリングされた建物モデルを元に、環境解析、設備、構造などのBIMアプリケーションとの連携を紹介します。 VectorworksのIFCデータを取り扱う為にも、これから説明する手順や手法を理解頂き、BIMデータの活用の一助となることが出来たなら幸いです。